2012 Fiscal Year Annual Research Report
電気磁気効果増幅型エンジニアードマルチフェロイクス材料の創製
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23686094
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
横田 壮司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10402645)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 電気磁気効果 / スピントロニクス / トンネル効果 / 交換相互作用 / 薄膜結晶成長 / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
薄膜結晶成長技術によって強誘電体及び電気磁気(ME)効果物質からなる人工超格子構造を作製し、ME効果の増幅及び変調をすることを目的とし、以下の研究を実施した。 1)Cr2O3(/Cr2O3±x)/LiNbO3(/Cr2O3±x)/Cr2O3エピタキシャル薄膜の作製 前年度に得られた各薄膜の成膜条件をもとに、積層膜作製を行った。初期Cr2O3及びLiNbO3層は容易にエピタキシャル成長するものの、2層目のCr2O3は、下部電極として用いるPtの結晶成長に大きく依存することがわかった。これは、Ptがエピタキシャル成長しているものの3次元核形成しているためであることがわかった。その為、成長温度の低減と成膜速度の最適化を行った結果、平均二乗粗さが5 nm以下の極めて平坦なエピタキシャル成長した薄膜を作製することに成功した。また、LiNbO3薄膜の成膜時のスパッタリングガスをXeに変えた結果、ストリークを有したRHEEDパターンが観察でき、より平坦性が向上することがわかった。 2)Cr2O3(/Cr2O3±x)/LiNbO3(/Cr2O3±x)/Cr2O3エピタキシャル薄膜の磁気郵電特性 1)により作製した試料の磁場中での電気特性評価を行った。無磁場下での400 kV/cmの印加電界に対して10^-6 A/cm^2と低いリーク電流密度を有していることがわかった。また、磁場印加に伴い残留分極量の増減を確認した。その増減はLiNbO3層の層厚によって異なることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とする全エピタキシャル積層膜の作製に成功し、電気磁気効果評価可能な高い絶縁耐性を有する薄膜を作製することが出来た。 また、電気磁気効果に対する評価は十分ではないものの磁場印加による分極量の変化を確認することが出来たことから、当初の目標に対して概ね達成できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
LiNbO3膜厚の層厚に対して磁場に対する分極量の増減が確認された。しかしながら、同時にリーク電流の増減が確認されたことから、発生する磁気モーメントと相関性が不明瞭である。そこで、今年度は、2層目のCr2O3に着目し、2層目のCr2O3薄膜の異方位エピタキシャル成長を試みる。その非対称構造を有する試料の電気・磁気特性を探査する。また、ME効果との関係を明らかにするために対称・非対称両構造を有する試料の低温の電気・磁気特性を探査する。
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Research Products
(15 results)