2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ液滴を原料とするレーザーCVD法の開発と機能性セラミックス膜プロセスへの応用
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23686096
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
木村 禎一 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 研究員 (10333882)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 静電噴霧レーザーCVD / セラミックス / 気相化学析出 / 静電噴霧 / 膜材料 |
Research Abstract |
静電噴霧によって生成するナノメートルオーダーの微小液滴を原料として用いる化学気相析出法(静電噴霧CVD法)について、前年度に実施した静電噴霧の基礎的条件検討の結果を考慮しつつ、成膜装置の設計および作製を行った。また、レーザーを援用した静電噴霧CVD法(静電噴霧レーザーCVD法)に用いるためのレーザー導入法の検討を行い、基材へのレーザー照射に必要なレーザー導入石英ポートおよび照射面積調整用光学レンズを同装置に導入した。静電噴霧では、噴霧開始直後に粗大液滴が生成し、また、噴霧中にも一定の割合で粗大液滴が生成するため、基材への粗大液滴の到達を抑制する方法を検討する目的で、成膜室全体が回転する機構を備えたが、水系原料溶液を用いた場合には、静電噴霧ノズルを上向きに設置すると、噴霧ノズル周辺に付着した液滴による短絡が起こる場合があったため、必要な改造をおこなった。 同装置を用いて、静電噴霧時の液滴生成状況を詳細に観察するとともに、印可電圧および液体原料供給速度が、ノズル先端に生成するテイラーコーンの形状に与える影響を調べ、安定したテイラーコーンの生成条件を明らかにした。 また、トリアセチルアセトナートアルミニウム、テトライソプロポキシチタンのエタノール溶液の静電噴霧実験、基材ステージ加熱のみによる成膜実験、レーザー加熱と基材ステージ加熱を併用した成膜実験を行い、いずれの原料・加熱方式でも、アルミナおよびチタニア膜が生成することを確認した。成膜条件による膜性状の違いについては、詳細な実験を引き続き実施し、速やかに公表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独自に設計した静電噴霧レーザーCVD装置を導入し、同装置による基礎的な噴霧条件・成膜条件を検討するとともに、チタニア膜、アルミナ膜の試作を行った。最終年度で様々な成膜条件と生成した膜の微細構造との関連を明らかにするための、必要な基礎データを収集しており、当初計画通りに研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
新プロセスを用いて作製したいくつかのセラミックス膜について、成膜速度、成膜条件による微構造変化などについての系統的実験を行い、論文発表・学会発表を実施する。
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