2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23686102
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 貴宏 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (50400429)
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Keywords | 高強度レーザー / 超微粒子 / ナノ材料 / 偏光 |
Research Abstract |
本研究では,フェムト秒パルスレーザー光の高いピーク強度に加え,位相と偏光の空間分布を高度に制御して超高温・超高圧・超高速な三次元構造を持つ極限光反応場を形成し,それを新規物質創製プロセスの場として用いる.レーザー光を照射する対象物質には,高強度レーザー科学の領域ではほとんど対象とされて来なかった密度の高い液体を用いる.すなわち本研究では,三次元構造をもつ極限光反応場と液体との組み合わせによって,究極の環境下でしか生成されないような原子レベルで高度に構造・形態制御された物質の創製を目的とし研究を行った.すなわちビームの横断面偏光分布を制御したレーザー光を強く集光することによって三次元構造を持つ光の場を形成し,それをこれまでにない物質合成の新規反応場として用いることを計画しているが,本年度はまず,異なる偏光(直線偏光と円偏光)を有するフェムト秒パルスを液体中に強く集光した際の電場について,非線形光学効果によって焦点の後方に発生する白色光の偏光を測定することによって評価した.また異なる横断面偏光分布を持つレーザー光が粒子作製におよぼす影響についても検討を行った.その結果,発生した白色光は入射光の偏光を維持していることが分かった.一方,直線偏光ならびに円偏光のレーザー光を金属イオンを含む水溶液に強く集光した場合,直線偏光を用いた場合に粒子の生成効率が高くなることが分かった.レーザー光の偏光が物質におよぼす影響についてはこれまで気体などの希薄系に限って研究がおこなわれてきたが,本研究で得られた結果は「凝縮系における偏光の効果」を初めて明らかにしたものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高強度光反応場における電場の振動が入射レーザービームの偏光に依存していることを明らかにするとともに偏光の違いが粒子生成におよぼす影響についても明らかにした.さらに,得られた結果を元に分割波長板を設計・製作し,現在三次元構造を持つ光反応場形成のための最適条件についての検討を行っているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
焦点における電場と粒子の生成メカニズムを解明するためにレーザー照射後の極短時間後の様子についてCCDカメラによるシャドウグラフを用いた測定を行う.レーザー照射後に発生する衝撃波の伸展様式や粒子生成の様子をごく短い時間領域で観察するとともに,作製された粒子の構造解析の結果をレーザー照射条件にフィードバックすることで三次元構造を持つ極限光反応場形成のための最適条件を決定し,それを用いた新規物質の創製を試みる.
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