2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトリソグラフィーとダイレクトメタライズ法の融合による樹脂上への微細配線形成
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23686107
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
赤松 謙祐 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 教授 (60322202)
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Keywords | ソフトリソグラフィー / ポリイミド / ダマシン |
Research Abstract |
本年度は、ポリイミドフィルムの前駆体であるポリアミック酸薄膜を作製し、金属イオンをドープした試料をメタライズ用フィルムとして用い、金属イオンの還元プロセスにおける薄膜形成過程に関する詳細な検討を行った。その結果、異なる還元剤を用いることによってイオンの還元速度を制御することが可能であり、表面に析出する金属薄膜と下層のポリイミドフィルムとの間の界面構造を制御することに成功した。また、薄膜形成過程においては、還元剤の浸透と、金属イオンの表面への拡散が競合することにより、金属ナノ粒子からなる界面構造が構築されることが明らかとなり、膜内物質移動のプロセスを含む膜成長機構を明らかにした。この金属薄膜形成手法をもとに、ネガ型のレジストを用いたフォトリソグラフィーによって、位置選択的に金属薄膜の形成が可能であり、金属回路の形成に本手法が適用可能であることがわかった。さらに、テープ剥離試験の結果、得られた金属パターンは良好な密着性を有していることが確認された。 本年度はさらに、金属イオンをドープしたポリアミック酸薄膜に電極を接続し、固相電気化学反応を誘起することにより、位置選択的に金属薄膜の形成が可能であることを新たに見いだした。この手法では樹脂内部で金属薄膜を成長させることができ,連結したナノ構造体を樹脂と金属の界面に形成させることにより、高い密着性と導電性を有するダマシン型の金属薄膜パターンを形成することが可能であった。上記のプロセスにおいて、析出プロセスの精密な制御と界面構造の最適化が進めば,信頼性の高い回路パターンを有する樹脂の作製が可能となり,将来的にフレキシブルプリント配線板への用途展開が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、膜内における物質移動と界面微細構造との相関について有用な知見が得られ、金属イオンをドープしたフィルムを用いたダイレクトメタライズ法における金属薄膜形成メカニズムを明らかにするという研究目的を達成した。さらに、ソフトリソグラフィーに電気化学反応をさらに融合させることでより低コスト、低環境負荷を可能にする新しいメタライズプロセスの開発につながる予備データも得られ、次年度におけるさらなる研究の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、転写モールドを用いた凹凸型樹脂基板を作製し、密着性に優れた界面構造の構築手法の確立を行う。得られた被膜の界面断面構造を詳細に解析し、高い密着性を有する微細構造の最適化を目指し、ダマシン構造を有するフレキシブル回路基板の作製を進める。さらに、今年度に得られた新しい知見をもとに、電気化学リソグラフィーを新たに取り入れ、陽極パターンの高解像度転写にトライする予定である。これにより、本研究をより発展的に展開し、高精度な微細パターンを有する埋め込み型フレキシブル回路基板を作製する有用な手法の確立を目指す。
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