2011 Fiscal Year Annual Research Report
高結晶・高配向ナノ粒子薄膜を用いた非結晶性基板への新規エピタキシャル成長法
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23686108
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北條 大介 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (30511919)
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Keywords | 薄膜・微粒子形成操作 / ハイブリットナノ粒子 / エピタキシャル成長 / 粒径分布 / CeO2ナノ粒子 / 高配向 |
Research Abstract |
(1)「高配向・均一なナノ粒子薄膜作製のための狭粒径分布CeO_2ナノ粒子合成」 高配向かつ配列化している"単結晶"ナノ粒子薄膜作製には、粒子径分布がそろったナノ粒子が不可欠である。本研究では、金属塩と表面修飾剤が均一に混合し、反応温度(400℃)において、均一な核発生が起こるように150℃、10分間の前処理を行っている。今年度は、前処理条件のさらなる最適化を行った。その結果、150℃、20分間の前処理が最適であることを見出した。また、前処理温度が200℃では、処理時間が長くなるにつれ、粒径分布が広くなることが分かった。200℃では、用いたプリカーサが一部分解され、それが核となって、その後の核成長において、不均一さをもたらしているものと考える。本研究では、混合がより均一になるようハステロイ製撹拌球の導入を行った。導入後、使用する表面修飾剤の量を3分の1にしても、同様の表面修飾率(4/nm2)を達成した。得られたCeO_2ナノ粒子のサイズ分布は6nm±10%(SD)である。今後、さらなる狭粒径分布化のために、ナノ粒子合成後、遠心分離機を用いて、サイズの選別を行う。 (2)「超臨界CO_2乾燥法を用いた新規ナノ粒子多層薄膜作製法の確立」 ナノ粒子分散溶媒を蒸発させる方法では大面積で均一な膜厚のナノ粒子多層薄膜を基板上に作製することは難しい。超臨界CO_2乾燥法はその特性(高い浸透性、非破壊性)からナノ粒子多層薄膜をシングルドメインかつクラックフリーに作製させることが期待できる。今年度の研究から、CO_2の圧力、温度を変えることでは、超臨界CO_2乾燥中での乾燥速度や構造物への浸透の制御が難しいことが分かった。今後、シクロヘキサン等、ハイブリットナノ粒子に親和性が高い溶媒を添加してCO_2乾燥を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究課題(1)において、さらなる狭粒径分布化の必要があることと、研究課題(2)において、超臨界CO_2乾燥法のナノ粒子多層薄膜への応用は、確立に至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノ粒子合成後、遠心分離機を用いて、使用するナノ粒子の粒径分布をさらに狭める。また引き続き、超臨界CO_2乾燥法を用いて、ナノ粒子分散溶媒の蒸発を行い、ナノ粒子多層薄膜を作製する。浸透の制御のために、シクロヘキサン等、ハイブリットナノ粒子に親和性が高い溶媒を添加して乾燥を行う。 平成24年度のうちに、 (3)「溶媒添加超臨界CO_2アニール法を用いたナノ粒子単層薄膜の"単結晶化"」 の研究課題に取り組み、平成25年度には、研究課題(2)、(3)で作製した基板上において、 (4)「高配向・均一ナノ粒子薄膜上の固相エピタキシャル成長」 の研究課題に取り組む。
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Research Products
(3 results)