2012 Fiscal Year Annual Research Report
高結晶・高配向ナノ粒子薄膜を用いた非結晶性基板への新規エピタキシャル成長法
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23686108
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北條 大介 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (30511919)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 薄膜・微粒子形成操作 / ハイブリットナノ粒子 / エピタキシャル成長 / CeO2ナノ粒子 |
Research Abstract |
①「超臨界CO2乾燥法を用いた新規ナノ粒子多層薄膜作製法の確立」 ナノ粒子分散溶媒を蒸発させる方法では大面積で均一な膜厚のナノ粒子多層薄膜を基板上に作製することは難しい。超臨界CO2乾燥法はその特性(高い浸透性、非破壊性)からナノ粒子多層薄膜をシングルドメインかつクラックフリーに作製させることが期待できると考えた。昨年度、今年度の研究から、CO2の圧力、温度を変えることでは、超臨界CO2乾燥中での乾燥速度や構造物への浸透の制御およびシクロヘキサン等、ハイブリットナノ粒子に親和性が高い溶媒を添加しても均一な乾燥を行うことがが難しいことが分かった。 ②「溶媒添加超臨界CO2アニール法を用いたナノ粒子単層薄膜の“単結晶化”」 ナノ粒子単層薄膜を形成すれば、大面積で均一な膜厚のナノ粒子薄膜を作製することができるが、配列化・配向化させる必要がある。ナノ粒子単層薄膜では、ナノ粒子が基板に固着しているため、溶媒アニール法では配列化・配向化に成功していない。配列化・配向化には、固着しているナノ粒子をアニール中に一時的に脱離させる必要がある。本研究では、溶媒添加超臨界CO2アニール法を用いて“単結晶”ナノ粒子単層薄膜を作製を試みたが、超臨界CO2によるアニールは効果的ではないことが分かった。 このため、「高配向・均一ナノ粒子薄膜上の固相エピタキシャル成長」の研究課題の達成のために、高配向なナノ粒子単層薄膜を超臨界CO2を用いないで作製することにした。ナノ粒子薄膜を溶媒蒸発によって作製する際、新たな冶具を設計し、基板を下向きにすることで、ランダムなナノ粒子の堆積を抑えることに成功し、高配向なナノ粒子単層膜作製につながった。25年度に「高配向・均一ナノ粒子薄膜上の固相エピタキシャル成長」の研究課題に使用するための基板とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超臨界CO2を用いたプロセスでは、「高配向・均一ナノ粒子薄膜上の固相エピタキシャル成長」の研究課題に使用できる基板を作成することができなかったが、新たに設計した冶具を用いて、高配向かつ1cm角で均一なナノ粒子単層薄膜を作成することができた。これによって、25年度の研究課題である、「高配向・均一ナノ粒子薄膜上の固相エピタキシャル成長」に取り組むことが可能になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度において、作製に成功した高配向かつ1cm角で均一なナノ粒子単層薄膜基板を用いて「高配向・均一ナノ粒子薄膜上の固相エピタキシャル成長」の研究課題に取り組む。 また、引き続き、使用するナノ粒子の粒径分布の更なる狭粒径分布化に取り組む。(現在、6.9 nm ± 8%)
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