2012 Fiscal Year Annual Research Report
亜臨界DMEを抽剤に利用する高水分炭の水分と可燃分の同時抽出法の検討
Project/Area Number |
23686117
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神田 英輝 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90371624)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 化学工学 / エネルギー全般 / 二酸化炭素排出削減 |
Research Abstract |
これまでの結果、亜臨界DMEで抽出された褐炭可燃分は固体として析出することが判明した。また、『DMEの温度を下げた』結果、ロシア・カナダ・中国北部の冬期に相当する-20℃の極低温でも、褐炭可燃分が抽出されると共に、氷・不凍水の双方共に完全に抽出することに成功した。20~80℃域においては、温度の違いによって可燃分抽出残渣の表面官能基に変化が、FT-IR測定によって認められ、それに伴って自然発熱性も変化することが判明した。しかし、抽出量に対する温度依存性は、顕著に見出すことができなかった。 学会発表 「寒冷地を想定した凍結褐炭へのDME抽出法の適用と褐炭性状」、日本エネルギー学会第49回石炭科学会議、(2012/10/25) 査読付き論文 Hideki Kanda, Peng Li, Hisao Makino, Direct water removing from frozen brown coal at -20°C, Fuel, doi: 10.1016/j.fuel.2013.04.008 (2013)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロシア・カナダ・中国北部の冬期に相当する-20℃の極低温では、水分の除去に、融解潜熱と蒸発潜熱の両方を投入する必要がある。また、極低温環境では、環境中への放熱量も著しく多い。副次的成果ではあるが、-20℃の温度域にて、本抽出実験を実施した結果、研究計画段階では想定していなかった本成果が得られた。 一方で、研究計画の通りに抽出実験を実施した、20~80℃域においては、温度の違いによって可燃分抽出残渣の表面官能基に変化がFT-IR測定によって認められ、それに伴って自然発熱性も変化することが判明した。しかし、抽出量に対する温度依存性は、顕著に見出すことができず、計画時の目論見通りの結果が得られていない。 これら、当初計画以上の成果と、当初計画以下の成果が含まれることから、総合的に概ね順調に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、引き続き、表面官能基の変化について検討するとともに、DME・水による石炭表面官能基抽出機構の解明に取り組む。 また、当初計画の通り、目論見通りに進まなかった場合の対応に従って、高水分炭からの水分抽出挙動に対する温度依存性の解明に注力する。
|