2011 Fiscal Year Annual Research Report
石炭のクリートネットワークにおける流体流動の解明とCO2-ECBM/Sへの応用
Project/Area Number |
23686129
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 則昭 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (60466539)
|
Keywords | 資源開発工学 / 流体 / 二酸化炭素排出削減 / フラクチャー / 二相流 |
Research Abstract |
炭層メタン貯留層において二酸化炭素の固定とメタンの増回収とを同時に実施するCO_2-Enhanced Coal Bed Methane/Sequestration(CO_2-ECBM/S)のプロセスを精度よく予測するためには、石炭化の進行により生じるクリート(天然フラクチャー)ネットワークにおける流体流動を解明する必要がある。そこで本研究では、貯留層環境下のフラクチャーに対して二相流体流動実験を実施し、この結果に基づいてフラクチャーネットワークにおける流体流動を数値モデル解析により解明する。また、この知見に基づき現実に即したプロセスモデルを構築し、従来のプロセスモデルにおける問題点を明らかにする。本年度はまず、最大10MPaまでの封圧下において5cmx5cmの単一引張フラクチャーに対して二相流体流動実験を実施した。その結果、非濡れ性流体の相対浸透率は毛細管圧力に依存することが明らかになった。つまり、既存の相対浸透率カーブのうち、毛細管現象の影響を無視したXカーブとViscous couplingモデルカーブは実フラクチャーには適用できないことが明らかになった。そこで今後、さらに広範な条件(応力やせん断変位)下において二相流体流動実験を実施し、特に毛細管圧力と相対浸透率の関係を明らかにするため、直径50mm、長さ50~100mmのフラクチャーを含むサンプルに対して最大50MPaの封圧を作用させた状態で、二種類の流体の圧力と流量の測定が可能な岩石コア浸透試験装置を新たに開発した。また最大600cm^2の異なる寸法のフラクチャーに関して封圧下の開口幅分布を測定し、フラクチャー面同士の接触面積はフラクチャー寸法に依存しないことを明らかにした。このことにより、フラクチャーネットワークにおける流体流動解析に必要なフラクチャーのマルチスケールモデリング法が明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は追加採択課題であったため進展がやや遅れているが、当初目標の3分の2以上は達成できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の進展はやや遅れているものの、当初目標の3分の2以上は達成できている。したがって、研究計画の大幅な変更は必要ではなく、また研究を遂行する上での問題点も今のところ見当たらない。今後もおおむね当初の計画通りに本研究を推進する。
|