2012 Fiscal Year Annual Research Report
地震波を使わない地震発生検知網の開発―地球磁場観測と最速警報―
Project/Area Number |
23686130
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大久保 寛 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (90336446)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 磁場観測 / 磁力計 / GPGPU / 地震断層運動 / 津波 / 緊急地震速報 |
Research Abstract |
巨大地震の発生を予測・検知することは人類の最大の目標の1つである.特に日本列島は多くの人が暮らす大都市部や発電所などが多く分布する沿岸部に数多くの活断層が存在するため,安心で安全な都市設計という観点からも現代社会において直下型の大地震の検知は重要な課題である. 本研究では,緊急地震警報の更なる迅速化を目指し,地震発生時の断層運動に伴って発生する磁場変化を利用する方法について検討を行ってきている. (1)地震が多く発生する地域での観測が重要となる.3.11東北大地震の余震域にある福島県いわき市において,昨年度の現地調査をもとに新規の観測システム(いわき観測点)を設置,運用を開始した.(2)微小磁場変化を計測するための地球磁場観測専用の高感度磁力計の開発を継続して行い,運用を開始した.(3)都市圏域でのテスト観測のための現地調査を実施した. 地震の発生は予測できないため,最大限のデータを収集するように研究グループにて観測システムの保守・点検を欠かさずに自動連続観測を続けている.一方,比較点として利用するための岩手・宮城内陸地震の余震地域である宮城県栗原市の観測点についても計測・データ解析を継続している. 観測については,安定化しており,観測点周辺における地震もいくつか発生している.ただし,地震の規模は比較的小さいため,しっかりとした検証を行うためにさらに多くのデータを蓄積する必要がある.現在,それらの信号解析も同時に進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた新規観測点の運用開始,高感度磁力計の運用開始,都市圏域でのテスト観測が実施できている.
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Strategy for Future Research Activity |
観測された信号の解析を進める.最大限のデータを収集するように研究グループにて観測システムの保守・点検を欠かさずに自動連続観測を続ける.都市圏域でのテスト観測を実施する.
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