2011 Fiscal Year Annual Research Report
水冷式反応管を用いた高周波誘導加熱による高レベル放射性廃液のガラス固化法の開発
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23686136
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤田 佳代 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (90372531)
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Keywords | ガラス固化 / 高レベル放射性廃液 / 高周波誘導加熱 |
Research Abstract |
本研究では,-使用済燃料の再処理工程で発生する高レベル放射性廃液のガラス固化のための水冷式反応管を用いた高周波誘導加熱溶融炉の新規提案する.セラミックスの保護管内に水冷により形成したガラス層を反応管として用い,高周波誘導加熱により連続的に供給される高レベル放射性廃液とガラス原料を瞬時に溶融し,固化を行う.本研究は,小型炉の試作,試作炉を用いた模擬廃液の固化による原理実証を行うことを目的とした. 初年度となる本年度は、小型の水冷式反応管の設計ならびに試作を行なった。また、高周波誘導加熱装置の購入が予定よりも遅くなったため、最終年度に実施予定であった高レベル放射性模擬廃液のガラス固化に関する基礎実験の一部を前倒しで行った。 (a)装置設計: 高周波誘導加熱によるガラスの溶融について、ガラスの抵抗率や比透磁率、電力、周波数等の種々の条件から計算を行った結果、本研究で購入可能な範囲の高周波加熱装置によりガラスを直接溶融することは困難であることが明らかとなった。このため、金属を中央に設置し、これを溶融することで、ガラス融体が中央部に存在する状態を模擬することとした。 (b)装置試作: 当初予定していた方法では、ガラス加熱時の熱膨張によりセラミックス外管が破損し、反応管を形成することが困難であることが明らかとなった。このため、あらかじめ溶融ガラスを仕込むのではなく、中央に金属棒を設置した容器内に微粒子化したガラスを供給し、高周波誘導加熱を行うことでガラスを溶解出来ることを確認した。 (c)ガラスと白金族元素の反応: 高レベル放射性廃液に含まれる白金族元素の1つであるパラジウムについてホウケイ酸ガラスに溶解させる際の最適な温度を調べることを目的として、酸化パラジウムを出発物質として600-1000℃溶解温度を変化させてガラスへの溶解量を調べたところ、850℃が最も高い溶解量を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の影響で高周波誘導加熱装置の購入が予定よりも遅くなり、装置試作についてはガラス溶解の確認に留まっているが、最終年度に実施予定であった基礎実験の一部を前倒しで行ったため、期間全体としてはおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で購入した高周波加熱装置ではガラスを直接溶融することは困難であった。このため、金属を中央に設置し、これを溶融することで、周辺のガラスを間接加熱し、ガラス融体が中央部に存在する状態を模擬することとする。
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Research Products
(2 results)