2013 Fiscal Year Annual Research Report
イネ光周性花成抑制因子Ghd7依存的な限界日長によるEhd1転写制御機構の解析
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23687007
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
伊藤 博紀 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物生産生理機能研究ユニット, 研究員 (00466012)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 光周性 / イネ / フロリゲン / 転写制御 |
Research Abstract |
花成促進因子Ehd1の転写は青色光で誘導される。日長認識において、この転写誘導は概日時計因子OsGIを介して常に朝に設定される。しかし、具体的な時期設定機構はわかっていない。イネCRY1機能低下系統(cry1a cry1b)では、Ehd1の青色光による誘導がほぼ起きないことから、CRY1はEhd1の誘導に必須な青色光受容体であると結論した。cry1a cry1bは顕著な出穂期遅延を示すので、Ehd1の低下がフロリゲンの転写に影響したことを示している。一方で、COP1はEhd1の転写抑制に機能する。この時、酵母内で青色光依存的にイネのCRY1-COP1-SPA1複合体が解離する結果を得た。つまり、シロイヌナズナで報告された青色光信号伝達系が、イネではEhd1を制御することを示している。イネCOP1欠損変異体では、Ehd1が青色光の有無に関わらず高発現するものの日周変動を示し、Ehd1pro::LUC形質転換体では、LUC活性が恒常的青色光条件下で日周変動を示す。つまり、概日時計因子OsGIは、青色光信号の下流で、Ehd1を誘導する転写因子の転写を朝に高めるモデルが考えられた。最終的に、Ehd1の青色光応答性シス配列と結合する候補転写因子として、GATA型、AP2型、Myb型転写因子を単離した。 一方で、長日条件下で強く転写誘導が起こる花成抑制因子Ghd7に関しては、myc-Ghd7形質転換体を用い、異なる日長条件でタンパク質量を調べたが、Ghd7タンパク質量に大きな変化は見出せなかった。この結果は、当初の期待通り、転写制御とタンパク質制御の統合が日長依存的抑制能の付与に重要であるというモデルを支持するが、実際のGhd7の転写量を再現する系統を得ることができなかった。形質転換体を利用した解析には限界があり、イネゲノムリソースを駆使した変異体からの解析も重要であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)