2011 Fiscal Year Annual Research Report
脂溶性生理活性物質によるユビキチン系制御の分子基盤の解明
Project/Area Number |
23687016
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
大竹 史明 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (60447373)
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Keywords | 蛋白質分解 / ユビキチン / 脂溶性化合物 |
Research Abstract |
脂溶性生理活性物質は広範な生理作用を有するが、その分子作用経路については、膜受容体系や転写制御系以外には不明な点が多い。本研究では、脂溶性リガンド受容体の一つであるarylhydrocarbon receptor (AhR)がユビキチン翻訳後修飾を制御することで基質の蛋白質分解を制御し、生理作用を発揮する、脂溶性リガンドの新規分子機構解明を試みた。脂溶性生理活性物質に対するAhRの応答における、ユビキチン修飾の意義を解明するため、まずはユビキチン鎖形成の効果を検討する系構築を試みた。AhRポリユビキチン鎖形成に関わるユビキチン連結酵素群(E2)を探索し、次に、分解基質によるAhR転写機能への影響を検討するため、AhRポリユビキチン鎖形成に関わる各酵素群をノックダウンして転写応答を解析した。その結果、リガンド添加・除去に応じた転写活性の迅速なシグナル応答性に、顕著な影響を生じることを見出した。また、分解基質を介した生理作用解析のために、系構築を進めた。ポリユビキチン鎖形成機構の解明のため、in vitroユビキチン鎖形成のアッセイ系構築を行った。E2酵素群を用いた特異性解析の結果、反応にはE2特異性が存在する可能性が示唆された。またリジン変異体の解析から、連結リジン残基特異性が見られた。解析の過程、定量的測定の必要が生じ、修飾ペプチドによる定量分析系の構築を行った。以上、受容体AhRを介したユビキチン翻訳後修飾の機能的意義の一端を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画のうち、生物学的意義に関しては転写制御への影響、分子機構解析に関してはユビキチン鎖形成アッセイ系を用いた解析を遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
AhRによるユビキチン化修飾に関わる相互作用因子や基質を解析し、ユビキチン翻訳後修飾の観点から脂溶性化合物の作用を解明していく。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] JMJD5, a jmjC-domain-containing protein, negatively regulates osteoclastogenesis through facillitating NFATc1 protein degradation2012
Author(s)
Youn MY, Yokoyama A, Fujiyama-Nakamura S, Ohtake F, Minehara KI, Yasuda H, Suzuki T, Kato S, Imai Y
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Journal Title
J Biol Chem
Volume: 287
Pages: 12994-3004
DOI
Peer Reviewed