2012 Fiscal Year Annual Research Report
GPIアンカーによるタンパク質選別輸送の制御機構の解明
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23687017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 盛久 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (30532056)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 糖鎖 / 糖脂質 / GPIアンカー / GPIアンカー型タンパク質 |
Research Abstract |
GPIアンカー型レポータータンパク質の細胞表面発現が低下する変異株C41について、性状分析と責任遺伝子の同定を行った。その結果、GPIアンカー型レポーターのみならず、CD59やPLAPといったGPIアンカー型タンパク質の細胞表面発現あるいは活性が部分的に低下していることが明らかとなった。GPI生合成中間体を調べたところ、正常細胞に比べて、GPI中間体の蓄積が見られた。GPI生合成異常およびCD59の細胞表面発現が回復する遺伝子を同定し、変異解析から、MPDU1が責任遺伝子であることを明らかにした。MPDU1の詳細な機能は不明であるが、MPDU1に欠損がある場合、ドリコールリン酸マンノースを小胞体内腔で利用できなくなることが知られている。興味深いことに、この変異株においてMPDU1とともにGPIマンノース転移酵素IIであるPIGVを高発現することによってもGPI生合成異常、GPIレポーターおよびCD59の細胞表面発現が回復した。これらのことから、GPI生合成過程において、PIGVはドリコールリン酸マンノース利用が制限された際の律速段階となっている可能性が示唆された。 またGPIアンカーの脂肪酸リモデリングに関連する機能未知遺伝子PGAP6aについて解析を進め、GPIアンカー型タンパク質の細胞膜から培養中への遊離を促進することを明らかにしている。この遺伝子産物の基質特異性や酵素活性の解析を進めると共に、生理的役割を解析するため、遺伝子欠損マウスの作製を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GPIアンカーによるタンパク質の輸送・局在調節機構について、本年度は変異細胞株の取得(C41)と性状分析、GPIアンカー型タンパク質の細胞膜局在に関わる機能未知遺伝子(PGAP6a)の解析を進めており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
GPIアンカー型タンパク質の生合成や選別輸送機構に関わる遺伝子群をさらに取得すべく、半数体細胞株および遺伝子トラップ法を用いた変異細胞群のスクリーニング系と解析法を確立する。まず、GPIアンカー生合成について、系の検討および解析法を確立し、その有用性を評価する。その後、このスクリーニング系をGPIアンカー型タンパク質の輸送系に適用する。具体的には本研究で用いるGPIアンカー型レポーターを組み込んだ半数体細胞を用いて、変異株群プールを取得する。
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Research Products
(7 results)