2011 Fiscal Year Annual Research Report
転写抑制因子ETO2による赤芽球エピゲノム形成の分子機構
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23687024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 亨 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60333796)
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Keywords | 遺伝子 |
Research Abstract |
細胞分化における遺伝子発現の調節には細胞系列特異的な転写因子が関与していると考えられており、このうち赤血球の分化においては、GATA-1転写因子が重要な役割を果たしている。GATA-1は、Scl/TAL1、LMO2、LDB1、ETO2などの転写因子もしくは共役因子と複合体を形成していることが明らかとなっており、これらの因子がGATA-1による遺伝子発現制御に影響を及ぼしていることが予想される。本研究においては、複合体の構成因子のうち転写抑制因子として知られているETO2に着目し、ヒト赤芽球分化における赤血球関連遺伝子のヒストンアセチル化・メチル化を介したエピジェネティックな発現調節において、ETO2がいかに関与するか明らかとすべく本研究を計画した。 具体的にはヒトCD34陽性細胞からの赤芽球分化系を用い、ETO2のノックダウンを行った後の遺伝子発現変化についてのマイクロアレイ解析とともに、免疫沈降シーケンス法を施行する予定である。今年度は、まず赤芽球系細胞であるK562細胞におけるETO2の意義について解析を行った。K562細胞におけるETO2強制発現及びクロマチン免疫沈降法を通じて、ETO2がグロビン遺伝子をはじめとした赤血球特異的遺伝子を直接制御していることを明らかとした。さらに、CD34陽性細胞由来の赤芽球分化系においてETO2のノックダウンを行うことにより、同様にグロビン遺伝子の発現上昇を認めた。今後これらの実験系を用いて、変動遺伝子群のピストン修飾変化について解析を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫沈降シーケンス解析の開始がやや遅れているものと思われるが、ヒト赤芽球分化系の確立及び変動遺伝子の同定まで施行済みであるため。
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Strategy for Future Research Activity |
変動遺伝子群のヒストン修飾の変化についてクロマチン免疫沈降法、さらに免疫沈降シーケンス法を用いて明らかとする。これまでの実験より、ヒトCD34陽性細胞由来の赤芽球分化系では免疫沈降シーケンス法に用いるに十分な細胞数が得られない可能性があり、K562赤芽球系細胞株にて解析を行う可能性も検討する。
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