2012 Fiscal Year Annual Research Report
LRRK1によるEGFRシグナルの時空間的制御機構の解析
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23687030
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
花房 洋 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00345844)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | LRRK1 / CLIP170 / Dynactin / EGFR |
Research Abstract |
過剰なEGFRシグナルや不適切に活性化されたEGFRシグナルは、細胞の癌化を引き起こすことが知られている。我々はROCOキナーゼファミリーLRRK1が、EGFRの細胞内トラフィックを制御することで、EGFRシグナルを時空間的に制御することを見出してきた。LRRK1はRas様GTPaseドメインとMAPKKK様キナーゼドメインを持つユニークな分子であり、近年ファミリー分子LRRK2がパーキンソン病原因遺伝子(Park8)であることが明らかとなり、臨床的にも注目を集めている。しかしLRRK1及びLRRK2の機能に関してはほとんど明らかになっていなかった。本研究課題では、(i)LRRK1キナーゼの基質の探索、(ii)LRRK1によるEGFR輸送(ダイニンモーター蛋白質に依存)の制御機構の解明、(iii)細胞恒常性維持におけるEGFR細胞内トラフィックの重要性の解明、の3点について解析を進め、LRRK1によるEGFR細胞内トラフィック制御機構の分子機構解明を目的としている。昨年度からの研究により(i)に関し、微小管プラス端結合タンパク質CLIP-170がLRRK1と相互作用し、LRRK1によってリン酸化されることを明らかにした。さらにリン酸化部位を同定した。LRRK1はCLIP170のC末をリン酸化することで、CLIP170とDynactinとの結合を制御していることを明らかにした。(ii)に関し、LRRK1によるCLIP170のリン酸化が、EGFRを含むエンドソームの輸送制御に重要であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
LRRK1キナーゼの基質の探索に関し、CLIP170を同定した。さらにリン酸化部位を同定し、リン酸化部位に変異を導入することで、LRRK1によるリン酸化の意義を明らかにした。またCLIP170以外に複数の基質をあらたに同定し、一部についてはリン酸化部位の同定を進めている。 LRRK1のキナーゼ活性化機構について新たな知見を得た。さらにこの制御がEGFR輸送制御のみならず、細胞周期の制御にも重要であるという期待以上の知見を得た。またリン酸化抗体を作製し、活性化したLRRK1の時間的空間的局在パーターンや、刺激応答性などをモニターする系を確立した。 LRRK1と相互作用する分子として同定していたNudCなどの役割について新たな知見を得た。NudCはLRRK1とともに細胞周期M期に中心体で重要な役割を果たしていることが明らかとなってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに得られた知見をもとに研究計画に沿って研究を遂行する。特にLRRK1がCLIP170をリン酸化することで、いかにEGFR細胞内輸送開始の制御に機能しているのか、タイムラプス解析やリン酸化抗体を用いたCLIP170のリン酸化状態のモニターを行い解析していく。 また細胞周期におけるLRRK1の役割については、LRRK1のCLIP170以外の基質が関与していないか検討する。特に中心体成熟や、スピンドル配向制御における機能について解析を行う。 さらにLRRK1の活性化機構について解析を進める。現在プロテインフォスファターゼPP5が、LRRK1を脱リン酸化し、キナーゼ活性を負に制御していることが明らかになりつつある。今後は、これらの制御がEGFR細胞内輸送や細胞周期においてどのように重要か解析して行く予定である。 今年度中には論文として発表できるよう研究を進める。
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Research Products
(1 results)