2014 Fiscal Year Annual Research Report
乳牛の栄養状態と潜在性疾病を検知する代謝性ホルモン感受性マーカーの探索
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23688033
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉野 利久 広島大学, 生物圏科学研究科, 助教 (90363035)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | GLP-1 / インスリン / 反芻動物 / 骨格筋 / メタボロミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度の結果から,反芻動物の肝臓代謝反応において,GLP-1はインスリンとは逆の作用を示すことが明らかとなった。 そこで本年度は,明らかとなったGLP-1による肝臓代謝反応が肝臓特異的な現象であるかどうかを検討するために,末梢組織として骨格筋に着目し,メタボロミクス解析を実施して,骨格筋におけるGLP-1の代謝作用を検討した。 試験には,サフォーク種去勢羊4頭を用いた。処理区として,生理食塩水を頸静脈より90分間注入する対照区,GLP-1(0.5μg/kgBW)を連続注入するGLP-1区,インスリン(0.5IU/kgBW)を注入するインスリン区および混合注入区を設け,4×4ラテン方格法で実施した。また,試験を通してグルコース溶液を注入し,正常血糖を維持した。注入90分後後に骨格筋組織片の採取,また,経時的に採血を実施し,骨格筋でのGLP-1による代謝変化をキャピラリー電気泳動/飛行時間型質量分析を用いたメタボローム解析により解析した。 血漿インスリン濃度は,インスリン区で高濃度を維持した。また,GLP-1および混合区で注入開始後,血漿インスリン濃度の一過性の増加が認められたが,注入90分後には基礎値まで減少していた。メタボローム解析の結果,処理区間で差が認められた代謝産物は16であった。昨年度の肝臓での結果と同様に,骨格筋においても,GLP-1はインスリンとは逆の作用を糖代謝およびアミノ酸代謝で示し,解糖系やTCA回路の抑制,アミノ酸の異化促進を示す傾向にあった。単胃動物では,GLP-1はインスリン類似作用を示すことが報告されているが,本試験結果より,反芻動物では,抗インスリン作用を示すことが明らかとなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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