2013 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類減数分裂におけるコヒーシンとコンデンシンの役割
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23688036
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
李 智博 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50372660)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 応用動物 / 発生・分化 / コンデンシン / コヒーシン / 染色体 / 減数分裂 |
Research Abstract |
減数分裂は有性生殖を行う生物にとって配偶子形成のために非常に重要な過程であり,その過程における染色体の分離異常は不妊や先天性疾患の一因となる。本申請課題の目的は,コヒーシンやコンデンシンと呼ばれる染色体の高次構造を制御するタンパク質複合体に着目し, 哺乳類の減数分裂過程および初期胚発生過程における染色体の動態を制御する分子メカニズムを理解することである。 本年度は, 3D-SIMと呼ばれる次世代光学顕微鏡システムを用いて,2つの減数分裂特異的サブユニットRAD21LとREC8のシナプトネマ複合体上の詳細な局在位置を調べた。その結果,対合状態の2本の軸構造(axial elements)のより内側に両者は局在するが,RAD21Lがより内側に局在する傾向が見られた。また,組換え中間体であるMSH4とのシグナルのオーバーラップ率は,RAD21Lの方がREC8よりも高かった。このような局在の違いはRAD21LとREC8がそれぞれ独自の機能を持つことを示唆しており,RAD21Lが組換えにより深く関与することを暗示している。これとは別に,コンデンシンIとコンデンシンIIの共通のサブユニットであるSMC2のノックアウトマウスを用いて,初期胚発生過程におけるコンデンシンの機能解析も行った。Smc2遺伝子ホモ欠損マウスは生まれてこないため,初期胚発生過程を調べた結果,胚盤胞期のKO胚において様々な染色体態異常(個別化異常,凝縮不全,分離異常)を示す分裂期細胞の割合が高かった。これらの結果から,哺乳類の初期胚発生過程において,コンデンシンは染色体の正常な形成と分離に必須であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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