2011 Fiscal Year Annual Research Report
サーカディアンリズムに立脚したアレルギー制御メカニズムの解明と新規治療戦略の展開
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23688040
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大森 啓太郎 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 助教 (20466915)
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Keywords | アレルギー / サーカディアンリズム / 動物モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、アレルギー性疾患の病態制御メカニズムにおけるサーカディアンリズムの役割を分子レベルから解明し、得られた研究成果に基づいて、時間薬理学の概念を応用した新しいアレルギー治療戦略を構築することである。本年度は、アトピー性皮膚炎自然発症動物モデルであるNC/Tndマウスおよびイヌを用いて、以下の実験を行った。 1.NC/Tndマウスの引っ掻き行動におけるサーカディアンリズム解析 NC/Tndマウスは、アトピー性皮膚炎の発症に伴って痒みに起因する特徴的な引っ掻き行動を示す。痒みおよび引っ掻き行動は、アトピー性皮膚炎の治療対象となることから、NC/Tndマウスの引っ掻き行動におけるサーカディアンリズムを、マウス擦過行動定量化装置を用いて解析した。その結果、NC/Tndマウスの引っ掻き行動は、午後から夜間にかけて増加し、早朝から午前にかけて減少していた。マウスは夜行性であることから、昼行性であるヒトのアトピー性皮膚炎患者と同様の臨床症状の増悪および軽減を24時間周期で繰り返していることが明らかとなった。 2.イヌにおけるサーカディアンリズム解析 哺乳動物であるイヌのサーカディアンリズムにおける分子基盤は明らかとなっていない。そこで、末梢血単核球における時計遺伝子の発現を24時間にわたり測定した。解析した時計遺伝子のうち、イヌにおいては、、Perl遺伝子のみが24時間周期のリズムを刻んでいたが、その他の時計遺伝子の発現にリズムは認められなかった。ヒトにおいては、末梢血単核球において他の時計遺伝子にも24時間周期のリズムが認められていることから、イヌとヒトでは末梢における時計遺伝子発現に差が存在することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、マウスおよびイヌを用いて、アレルギー制御メカニズムにおけるサーカディアンリズムの役割について解析できている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、NC/Tndマウスを用いて、アトピー性皮膚炎の痒みに伴う引っ掻き行動において、サーカディアンリズムを制御している液性因子および分子メカニズムを研究計画に従い解明していく。また、イヌを用いて、アレルギー関連因子のサーカディアンリズムを解析していく。これら動物モデルを用いた研究により、アレルギー制御メカニズムのけるサーカディアンリズムの役割を明らかにし、治療標的となる分子を選別していく予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Peroxisome proliferator-activated receptor gamma-mediated suppression of dendritic cell function prevents the onset of atopic dermatitis in NCA/Tnd mice2011
Author(s)
Jung K, Tanaka A, Fujita H, Matsuda A, Oida K, Karasawa K, Okamoto N, Ohmori K, Jee Y, Shin T, Matsuda H
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Journal Title
J.Allergy Clin.Immunol.
Volume: 127
Pages: 420-429
Peer Reviewed
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