2012 Fiscal Year Annual Research Report
アブシジン酸の認識を制御するタンパク質複合体の解析
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23688044
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
西村 宜之 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 主任研究員 (70405041)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | プロテオーム / シグナル伝達 / 植物 |
Research Abstract |
アブシジン酸(ABA)の認識を制御するタンパク質複合体の実態とその制御機構を解明するため、ABA受容体であるPYR1とPYL9の相互作用因子や翻訳後修飾部位の同定を試みた。 シロイヌナズナの野生型Col-0にABA受容体の一つであるPYL9とYFPを融合させたYFP-PYL9を発現させた過剰発現体を作成し、表現型観察を行ったところ、YFP-PYL9過剰発現体は、ABAによる種子発芽の抑制応答において、非常に強いABA高感受性を示した。YFP-PYL9過剰発現体を用い、YFP-PYL9融合タンパク質にそれぞれ相互作用する因子をGFPアフィニティーカラムで精製し、質量分析計を用い、YFP-PYL9候補相互作用因子の単離を行った。候補相互作用因子として、申請者らが以前報告を行ったABI1などのクラスターAに属するPP2Cや新たな候補因子が含まれていた。酵母2ハイブリット法による相互作用の確認実験を行い、新たな候補因子の1つはPYL9と相互作用することが確認でき、PYP1 (PYL9 interacting protein)と名付けた。現在、PYP1の機能を明らかにするため、詳細な解析を行っている。昨年度単離した新たなPYR1候補相互作用因子とPYR1の相互作用も確認を行ったが、現在のところPYR1と相互作用する因子の同定には至っていない。 YFP-PYR1とYFP-PYL9過剰発現体を用い、PYR1とPYL9の翻訳後修飾部位の同定を試み、候補翻訳後修飾部位をそれぞれ同定することに成功した。現在、これら翻訳後修飾部位に変異を導入した変異タンパク質を発現させた植物体を作製し、ABA応答における候補翻訳後修飾部位の評価を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究実施計画に記載した新たなPYR1の相互作用因子の同定には至らなかったが、新たなPYL9の相互作用因子の同定と、PYR1とPYL9の候補翻訳後修飾部位の同定に成功し、本年度の目標をほぼ達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、研究が進展しているPYL9を中心に、昨年度同定したPYL9相互作用因子であるPYP1の解析、PYL9の翻訳後修飾部位の評価、および、天然リガンドの探索を試みる。PP2Cの一つであるAHG1は、PYR1と相互作用しないことを確認しているが、その他のABA受容体PYR/PYL/RCARと相互作用するか確認していない。今年度は、AHG1はABA受容体PYR/PYL/RCARと相互作用しないかを確認し、クラスターAに属するPP2CとPYR/PYL/RCARの関係も調査する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Isolation of Arabidopsis ahg11, a weak ABA hypersensitive mutant defective in nad4 RNA editing2012
Author(s)
Murayama M, Hayashi S, Nishimura N, Ishide M, Kobayashi K, Yagi Y, Asami T, Nakamura T, Shinozaki K, Hirayama T
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Journal Title
Journal of Experimental Botany
Volume: 63(14)
Pages: 5301-5310
DOI
Peer Reviewed
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