2012 Fiscal Year Annual Research Report
複核錯体の精密設計を基軸とする分子変換法の革新と医薬リード探索
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23689002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 茂樹 東京大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (50334339)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 不斉触媒 / 不斉合成 / 医薬リード / 複核金属触媒 / 天然物合成 |
Research Abstract |
医薬リード探索に直結する重要な非天然アミノ酸、特に細胞死に関与するp53とMdm2の相互作用の制御を可能とするための非天然アミノ酸として「連続4置換炭素を有するα,β-ジアミノ酸誘導体」の合成を実施した。イミダゾリンへの誘導を視野にいれ、イソチオシアネートエステルとケトイミンとのMannich型反応により従来合成不可能であった、連続4置換炭素を有するユニットを触媒的に合成する手法を確立した。 また、より精密なデザインをin silicoで行い、スピロオキシインドール骨格を有する化合物がもっとも有望であることが判明した。そこで、その成果をもとにトリプトファンミミックになりうるオキシインドールユニットを導入した化合物の合成についても検討を進め、オキシインドールにイソチオシアナート基がついた求核剤 を利用する反応系の開発に成功した。これにより各種スピロオキシインドール骨格を有するライブラリーを構築することに成功した。 また、γ-ブチロラクタム骨格を基盤としたライブラリー構築を目指し、α,β-不飽和γ-ブチロラクタムを用いたビニロガス反応の拡張を行った。その結果、anti-ビニロガスマンニッヒ反応の開発に成功した。この手法を応用しアッセイ系の確立できているプロスタグランジンEP4受容体のアゴニスト(骨粗鬆症治療薬リード)に対して、有望と思われる化合物群の合成を進めた。また、別なアプローチとして、イソインドリノン骨格をもつ化合物の合成法の確立、についても実施した。これにより多面的に優れた医薬リードを探索するための基盤を確立することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in silicoでの調査の結果、当初予定していた化合物とは異なるスピロオキシインドールがもっとも有望な骨格として見いだされた。そのため、改めて骨格構築のための手法の確立に取組む必要が生じたが、結果として新たな方法論の確立に成功し、有望な化合物群を合成することにも成功した。このことから、当初の想定外の知見があったものの新たな手法の開拓を通じ、当初の目標に向け、順調な進展を達成することができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた成果を基盤として、最終年度には有望な化合物ライブラリーの構築を実施していく。
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Research Products
(7 results)