2011 Fiscal Year Annual Research Report
性ホルモン分泌調節における神経ペプチド受容体機能制御の分子基盤の解明
Project/Area Number |
23689007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大石 真也 京都大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (80381739)
|
Keywords | 性ホルモン / キスペプチン / GPR54 / プローブ / 受容体 |
Research Abstract |
本研究は、哺乳動物の2つの異なる性ホルモン分泌様式へのキスペプチン類の寄与を精査するべく、神経ペプチド類の受容体選択性や視床下部-下垂体系における受容体分布との関連を明らかにすることを目的としている。平成23年度は、GPR54および性ホルモン分泌の制御に関わることが報告された関連GPCRの発現細胞株の調製と、受容体局在を検出するためのプローブ分子の設計と合成を行った。 [受容体選択的リガンドと分子プローブの創製]全長キスペプチンのSer5, Ser10, Gln15, Ser20, Arg25, Pro30, Leu35, Lys40およびTyr45~Leu52のいずれかの残基をシステインに置換し、マレイミドを介して光反応性官能基を導入することにより光反応性プローブを調製した。GPR54発現細胞株への標識実験において、Pro30, Leu35, Lys40, Tyr45, Asn46およびTrp47に標識基を導入したプローブでGPR54の認識が認められ、これらのアミノ酸残基が受容体との結合に副次的に関与していることが示唆された。同様の手順でKp-14をもとにしたプローブを作成し、Trp47に相当するアミノ酸残基に標識基を導入したプローブのGPR54への結合を確認した。 [受容体活性化の分子メカニズムとキスペプチン類の生理作用の解明への応用]各種のタグ・蛍光タンパク質を融合したGPR54受容体および関連受容体の発現細胞株について、内因性リガンドの結合活性およびアゴニスト活性を評価し、一部を除いて目的の機能を有する受容体が細胞膜上に発現していることを確認した。GPR54発現細胞株では、期待されたリガンド添加による細胞内Ca2+濃度の変化が認められ、リガンド・プローブの機能評価に利用できることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キスペプチン類の光反応性プローブを調製し、これを利用してキスペプチン上の受容体認識に関わる部分構造を明らかにした。また、受容体活性化のメカニズムを解析するための各種細胞株を調製し、目的の機能を有していることを確認した。得られたプローブや細胞株などのツールは、今後の受容体局在や活性化機構の解明研究の展開において有用なものである。全体を通して、4年計画の1年目で予定していた実施計画通りの進捗が達成できたと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
光反応性プローブを用いて得られたリガンドの受容体結合に関する知見は、今後の新規リガンド・プローブの分子設計に活用する。また、システインを介する光反応性官能基の導入はリガンド本来の活性の変化を伴っている可能性があることから、光反応性官能基を持たないプローブやアミノ酸側鎖に直接光反応性官能基を導入したプローブの作成についても検討を行う。性ホルモン分泌調節へのGPR54以外の受容体の関与が報告されていることから、他の受容体のリガンド・プローブの創製研究も展開する。
|
-
-
-
[Journal Article] Structure-activity relationship study of a CXC chemokine receptor type 4 (CXCR4) antagonist FC131 using a series of alkene dipeptide isosteres2012
Author(s)
Kobayashi K, Oishi S, Hayashi R, Tomita K, Kubo T, Tanahara N, Ohno H, Yoshikawa Y, Furuya T, Hoshino M, Fujii N.
-
Journal Title
J. Med. Chem.
Volume: 55
Pages: 2746-2757
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Internalization of CXC chemokine receptor 4 (CXCR4) induced by polyphemusin II-derived antagonist peptides2011
Author(s)
Masuda R, Oishi S, Tanahara N, Ohno H, Hirasawa A, Tsujimoto G, Yano Y, Matsuzaki K, Nakase I, Futaki S, Fujii N.
Organizer
第48回ペプチド討論会
Place of Presentation
札幌コンベンションセンター(北海道)
Year and Date
20110927-20110929
-
-
-
-
-
-
-