2012 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌における癌幹細胞の発生・維持に関わる機構の解明
Project/Area Number |
23689019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川崎 善博 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (10376642)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 / 大腸癌 |
Research Abstract |
癌組織内において微量に存在する癌幹細胞が癌の再発・転移の大きな原因になっていると考えられている。その為、少数集団にすぎないが癌幹細胞こそは癌根治療法の本質的な標的であり、癌幹細胞の同定及び解析は発癌機構の解明、予後判定、新規治療法の開発等に極めて重要であると考えられている。 近年、FACS/MACSを用いることによって様々な細胞表面マーカーを指標として、生体癌組織から癌幹細胞が多く含まれる細胞集団を精製できることが明らかにされてきた。本研究においても異種移植腫瘍からFACSを用いて精製したヒト大腸がん組織由来CD44+CD133+細胞がCD44-CD133-細胞と比べて極めて高い造腫瘍能をもつことを見出し、CD44+CD133+細胞は癌幹細胞を多く含む細胞集団であることを確認した。そこで我々は、CD44+CD133+細胞とCD44-CD133-細胞から抽出したRNAを用いて次世代シークエンサーによる網羅的遺伝子発現解析を行い、造腫瘍性に差がある細胞間において発現が変化している73種類のnon-coding RNAを同定することが出来た。さらに、得られた因子の中から癌幹細胞の増殖に関わる因子を絞り込む為に、siRNAを用いて候補遺伝子の発現を抑制することでCD44+CD133+細胞の増殖に与える影響を検討した。その結果、細胞増殖制御因子として6種類の新規non-coding RNAを見出すことに成功した。今後、レンチウイルスshRNA発現システムを用いて候補遺伝子の発現を長期間に渡り安定抑制し、免疫不全マウスの皮下に移植した場合の腫瘍形成能に与える影響を検討する。さらに、得られた造腫瘍性制御因子が癌幹細胞の自己複製・未分化性維持に与える影響について詳細な解析を遂行し、大腸癌発症機構の解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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