2011 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンリガーゼSCRAPPERによる細胞内輸送制御機構の解明
Project/Area Number |
23689021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
矢尾 育子 関西医科大学, 医学部, 講師 (60399681)
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Keywords | SCRAPPER / シナプス / 蛋白質 / 極性 / 老化 |
Research Abstract |
選択的タンパク質分解は様々な細胞機能の制御に重要であり、細胞内輸送においても重要であることが予想される。そこで本研究では、申請者が発見したユビキチンリガーゼSCRAPPER(YaoらCell 2007)を介しタンパク質分解により調節されるモータータンパク質の動態制御に着目した。本年度は量的な変化について生化学的手法を用いて検討を行った。 まず、SCRAPPERとモータータンパク質問の相互作用解析を行い、SCRAPPERの標的分子となることを確認した。培養細胞及びマウス個体での過剰発現、変異体、及びRNAiによってSCRAPPERの標的タンパク質との相互作用を検討した。 次に、SCRAPPER依存的なモータータンパク質ユビキチン化の試験管内での検証を行った。ユビキチンリガーゼ(SCRAPPER-Skpl-Cullinl-Roclの複合体)と標的タンパク質の組み換え体を、ユビキチン存在下、ATP、E1、E2を加えてインキュベートし、ユビキチン化を観察した。その結果、SCRAPPER依存的にモータータンパク質がユビキチン化されることを試験管内での再構成を行いユビキチン化されることを確認した。 SCRAPPER遺伝子のノックアウトマウス行動解析により、SCRAPPERタンパク質の量が脳内で減少しているマウスでは、恐怖記憶の形成に異常があることが明らかとなっている。この結果を含め、SCRAPPER分子の解析について第33回日本神経科学大会、第84回日本生化学会大会、北米神経科学学会をはじめとする学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の計画を遂行し目標を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
タンパク質分解を介した分子数の調節により情報発現が制御される機構を明らかにし、ユビキチンプロテアソーム系による細胞内輸送・極性の制御機構の統合的な理解をはかる。
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Research Products
(12 results)