2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病の脳における脂質代謝異常のメカニズム解明とその是正
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23689047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 亮 東京大学, 医学部・附属病院, 特任講師 (20396732)
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Keywords | 糖尿病 / 脳 / コレステロール / シナプス / 認知機能 / SCAP / SREBP-2 / マウス |
Research Abstract |
糖尿病マウスの脳では種々のステロール含量が減少しているにも関わらずSREBP-2経路が抑制されていることからステロールセンサーの異常を疑った。STZ糖尿病マウスの脳組織を用いて、SREBP-2前駆体と複合体を形成するステロールセンサー分子SCAPを定量したところ、STZ糖尿病マウスの大脳皮質および視床下部においてSCAPタンパク質が減少していることを発見した。Nestin-CreTgマウスとSCAPfloxマウスを交配し、脳特異的SCAP欠損マウスを作製した。脳特異的SCAPホモ欠損マウスは自発呼吸開始を認めず全て出生直後に死亡した。ホモ欠損マウスの脳では顕著なグリオーシスを認めた。脳特異的SCAPヘテロ欠損マウスは出生後も生存し、STZ糖尿病マウスと同様に、大脳皮質および視床下部においてSREBP-2経路の遺伝子発現が約20%減少しており、脳におけるコレステロール合成も29%低下していた。海馬スライス電気生理で刺激後LITPがSTZ糖尿病と同様著明に減弱していた。新奇物体認識試験の結果、対照マウスは新奇物体を好んで探索するのに対し、脳特異的SCAPヘテロ欠損マウスは学習済み物体と新奇物体を探索する時間に差を認めなかった。上記結果を論文投稿し、現在revise実験中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文の完成に向けて順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
アストロサイト特異的かつ時期特異的なSCAP欠損マウスを作製するためにGFAP-CreERTマウスをドイツKirchhoff研から分与を受け、現在個体作製中である。
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