2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23689053
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 靖幸 北海道大学, 大学病院, 助教 (80374437)
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Keywords | XVII型コラーゲン / 造血幹細胞移植 / 間葉系間質細胞 / VII型コラーゲン / 経骨髄移植 |
Research Abstract |
レシピエントとなるCOL17欠損マウスおよびCOL7不完全ヒト化マウス、COL7完全ヒト化マウスの繁殖を行った。これらの成体マウスが得られた時点で、以下の幹細胞移植実験を行った。 (1)従来の経静脈投与と比較して生着率の向上が期待でき、かつ臨床応用を考慮した際に治療的手技として確立されている方法として、GFP+Tgマウス由来の骨髄細胞を経骨髄移植した。フローサイトメトリーでは、経静脈投与移植群と比較して経骨髄移植群では同等かそれ以上の末梢血生着が確認された。創傷治癒部、およびびらん治癒部の皮膚を検討したところ、GFP陽性表皮角化細胞が約0.2%確認され、COL17欠損マウス群においてはRT-PCRにて欠損COL17の回復が確認されたが、マウスCOL7については回復が確認されなかった。臨床症状および生命予後の変化については、現在経過観察中である。 (2)骨髄細胞や脂肪組織より分離培養したGFP+Tgマウス由来の間葉系間質細胞を骨髄腔内投与した。生着を確認するために4週間後に骨髄細胞を採取し、GFP陽性間葉系間質細胞の有無をフローサイトメトリーで解析したが、大部分の移植マウスにおいてGFP陽性細胞は確認されなかった。また、投与後の創傷上皮化部、およびびらん治癒部の皮膚を検討したが、GFP陽性表皮角化細胞やCOL17の回復は確認されなかった。 (3)ヒト問葉系間質細胞を免疫不全NOGマウスに経骨髄移植した。移植後の創傷治癒部において、HLA classI陽性細胞が真皮にわずかに確認された個体が5匹中1匹でみられたが、表皮では全く検出されなかった。また、組織RT-PCRにおいては5匹中2匹でhuman GAPDH陽性、5匹中1匹でhuman COL17陽性であったが、現時点で他のヒト皮膚基底膜蛋白の発現は確認されなかった。よって、現在は間葉系間質細胞を皮膚へrecruitすると報告されているHMGB1蛋白(Tamai K et al.,2011)およびCCL27(Sasaki M,Fujita Y et al.,2008)を併用した移植実験系を施行し、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COLI7欠損マウスに対する経骨髄移植実験においては従来と同等以上の生着率が確認され、臨床症状や生命予後は現在経過観察中である。また、間葉系間質細胞移植実験においては現時点で当初予想された皮膚細胞への分化が確認されていないが、当初の実験計画の通り、遊走・分化促進因子と考えられているものを併用した移植実験を施工中であり、現時点でこの系においてはドナー由来細胞の存在が確認されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
移植レシピエントとなるCOL17欠損マウスの増産を図った上で、移植実験系を継続して細胞療法の有効性を臨床症状の変化・予後の観点から引き続き検討する。遊走・分化促進因子と考えられているものの有用性が明確となり、レシピエント由来表皮角化細胞が十分数得られた場合は、フローサイトメトリーにて分離のうえRT-PCR、real-time RT-PCRおよびマイクロアレーなどでprofileの差違を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)