2012 Fiscal Year Annual Research Report
陽子線治療における4次元体内線量測定法の確立と高精度4次元陽子線治療への応用
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23689058
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
河野 良介 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 研究員 (20392227)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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Keywords | 陽子線治療 / 4次元体内線量測定 / MOSFET検出器 / 4次元CT / モンテカルロ法 |
Research Abstract |
今年度は、次の4項目について研究を進めた。 (1)4次元治療用320列CT:320列CTのCT値の位置依存性があることがわかっているが、臨床応用を目指して、治療計画用CT撮影条件を決定するために、撮影条件毎にCT値の変化の評価を進めた。再構成関数や最構成法を変えると、撮影条件によって高密度物質では、CT値が150程度変化することもあり、CT値の変動を抑えるようにCT値ー線阻止能比変換テーブルの取得方法や撮影条件を揃えるといった運用方法を決定した。 (2)呼吸性移動ファントム:呼吸性移動量検証のために、レーザーによる腹位測定法を検討し、位置を0.15 mm以内の精度で測定できることを確認した。そして、呼吸性移動ファントムの腹位について、レーザーにより検証を実施した。 (3)位置照合系評価:ロボット寝台駆動について、アイソセンタにおける並進移動や回転量精度は、0.2 mmと0.5 mm以内であることを評価した。次に、位置照合時に使用するIn-room CTとDRのアイソセンタ位置確認を実施し、0.6 mm以内であることを確認した。 (4)RADPOSの位置検出精度検証:RADPOSは、測定環境内に強磁性体や金属があると、測定精度が悪くなる。それゆえ、高精度な位置駆動可能な金属の無いX線治療の寝台にRADPOSを固定し、RADPOSの位置検出精度を評価した。測定可能範囲内で寝台駆動させ、X,Y,Z軸方向に対して、仕様値を満たしていることを確認し、0.5 mm程度の精度で位置を検出できることがわかった。これにより、位置検出器としてRADPOSが応用できることが確認された。今後、(3)で駆動確認されたロボット寝台を使って、陽子線治療環境下でのRADPOS位置検出精度検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
治療計画利用に向けた320列CTの評価も進み、呼吸性移動ファントムについては、途中故障もあったが、ファントムの動作確認の実施を進めることができた。また、今後実験に使用されるロボット寝台の駆動精度や位置照合システムの幾何学精度評価も完了し、呼吸性移動ファントムやRADPOSを組み合わせた移動量検証に向け、おおむね予定通りに研究が達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、様々なモダリティを融合し、高精度陽子線治療の達成を目的とした研究であるので、一要素技術でも研究に遅れが生じると全体に影響を与えかねない。それゆえ、専門家や各メーカーと密に連携し、本研究の遂行に当たる。また、問題が発覚したときには、早々に研究計画を再検討し、方法や研究スケジュールなど柔軟に見直すことで、成果を上げるために、その問題に対する最善策を講じる。
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Research Products
(15 results)