2012 Fiscal Year Annual Research Report
濃縮骨髄幹細胞のキャラクタライズと骨粗鬆症治療への応用可能性検討
Project/Area Number |
23689078
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
縣 秀樹 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (20581177)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 骨粗鬆症 / 再生医療 / 骨 |
Research Abstract |
濃縮骨髄幹細胞を用いた革新的骨密度・骨質改善法の開発を目指して、本年度は間葉系幹細胞の濃縮法の開発と骨粗鬆症モデルマウスへの細胞注入(移植)を行った。 間葉系幹細胞の濃縮 間葉系幹細胞(MSC)の細胞表面抗原はCD11b- , CD29+, CD45-, Sca-1+であることが知られている。そこで、皮質骨の酵素処理で単離・培養したマウス間葉系細胞のこれらのマーカー発現を調べたところ、Sca-1+の細胞はすべてCD11b- , CD29+, CD45-であることが明らかになった。すなわち、Sca-1+の細胞=MSCであることが明らかになったため、Anti-Sca-1抗体を用いてMACSによる濃縮を行った。その結果、すべてがSca-1+の濃縮幹細胞が得られた。 骨粗鬆症治療への応用可能性検討 上記の方法で得られた濃縮幹細胞の骨粗鬆治療への応用可能性を検討するために、まず骨粗鬆症モデルマウスの作製を行った。6週齢の雌マウスを全身麻酔下で卵巣摘出(OVX)、またはsham-ope後、3か月間飼育し、大腿骨の骨量、骨密度を測定した。その結果、OVX群では骨量、骨密度が有意に低下していることが明らかになったため、OVXマウスを骨粗鬆症モデルマウスとして使用することにした。Sca-1で濃縮した幹細胞をOVXマウスに腹腔内投与、尾静脈投与、または、骨髄内投与を行ったところ、腹腔内投与群では骨量、骨密度に変化は認められなかったが、尾静脈投与群と骨髄内投与群では骨量、骨密度の改善が認められた。尾静脈投与群と骨髄内投与群の骨量、骨密度改善効果に有意な差は認められなかったが、骨髄内投与の方が塞栓の危険が少ない、安全性の高い投与法であることが示唆された。次年度は移植実験の追試を行い統計学的な検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在まで間葉系幹細胞を濃縮する方法の開発を終えている。また、濃縮した幹細胞の骨粗鬆症モデルマウスへの注入も始まっており、早ければ今年度中に実験が終了する。
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Strategy for Future Research Activity |
提出した実験計画に変更はなく、今後も計画に沿って着実に研究を進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)