2011 Fiscal Year Annual Research Report
本邦における肝移植レシピエントのQOLの推移の全国調査
Project/Area Number |
23689087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
入江 慎治 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (90433838)
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Keywords | 生体肝移植 / QOL / 全国調査 / 縦断研究 / レシピエント |
Research Abstract |
研究代表者が過去の研究で作成し、信頼性・妥当性の検証を行っている生体肝移植レシピエントの特異的QOL尺度を用いて、日本でこれまでに行われた生体肝移植後レシピエントのQOLの全国調査を縦断的に行い、生体肝移植後レシピエントのQOLの推移及びその関連要因を明らかにし、今後のインフォームド・コンセント、治療、ケア等に役立てることを目的としている。日本国内ですでに生体肝移植を受けたレシピエント及び、研究期間中に生体肝移植を受けるレシピエントを対象とする。 平成23年度は、まず質問項目の信頼性・妥当性の検証の続きを行い、その結果を元に、質問項目の修正を試みた。海外の研究者にも妥当性検証の協力を得、今後英訳及び逆翻訳を行うこととした。並行して、各移植施設に調査趣旨を説明するための準備として、各種学会などで移植医・移植コーディネーター・レシピエント・ドナー等と情報交換を行った。 信頼性・妥当性の検証及び、調査協力施設との日程調整に時間がかかったため、平成23年度補助金の一部を平成24年度に繰り越して調整を続けた。信頼性・妥当性の検証が完了し、全国調査に向けての日程調整中であった平成24年6月15日に、国内で初めての6歳未満の脳死ドナーからの臓器移植手術が行われたことにより、本研究の対象者である、生体肝移植レシピエントの移植に対する考え方(特にドナーとの関係の項目等)に変化が生じた可能性を無視できなくなった。これを受け、その後移植医療の専門家らと協議の結果、尺度の妥当性の観点から、追加面接調査が必要との結論が出たため、追加面接調査を行った。それらを踏まえての尺度の項目の修正を行い、妥当性の再検討を行った。 各移植施設への調査趣旨説明を行い、必要に応じて倫理員会申請及び審査を行っていく予定である。その後、複数回の全国調査を行い、QOLの推移及びその関連要因を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
尺度の信頼性・妥当性の検証が完了し、全国調査に向けての日程調整中であった平成24年6月15日に、国内で初めての6歳未満の脳死ドナーからの臓器移植手術が行われたことにより、本研究の対象者である、生体肝移植レシピエントの移植に対する考え方(特にドナーとの関係の項目等)に変化が生じた可能性を無視できなくなった。これを受け、その後移植医療の専門家らと協議の結果、尺度の妥当性の観点から、追加面接調査が必要との結論が出たため、追加面接調査を行った。それらを踏まえての尺度の項目の修正を行い、妥当性の再検討を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
尺度の信頼性・妥当性の再検証を早期に終了させる。 その後、質問紙調査の実施について倫理審査を受ける。承認後実際の全国調査を開始する。必要に応じて、各移植実施施設への趣旨説明を行い、倫理審査を受ける。各移植実施施設から調査票を送付することで住所・氏名等の個人情報に研究者が直接触れない方法で行う。QOLの推移をみるため、連結可能匿名化された状態でデータを取り扱う。 研究計画の遅れを取り戻すべく、研究協力者を当初の予定より多く確保し、調査協力施設への趣旨説明にかける期間を減らしていきたい。また、必要に応じて調査期間を縮小していく可能性もある。
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