2011 Fiscal Year Research-status Report
医療データおける計算幾何を用いた知識発見システム設計
Project/Area Number |
23700006
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
全 眞嬉 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (80431550)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | アルゴリズム / 計算理論 / 知識検出 / 情報システム |
Research Abstract |
本研究の目的はデータマイニングにおける現在の精度限界を打破するための可視化知識抽出モデルの提案、理論研究、システムの構築である。本研究で達成するシステムは、ビジュアル的に判りやすく、かつ精度及び効率性の高いものであり、医療分野における意思決定支援という現代社会の必須技術として大きな実用インパクトを持ち現代社会に寄与できる。本研究では、応募者が持つ離散アルゴリズムを用いた計算幾何学的な関数の最適近似の独自技法を利用し、データ分布を、ユーザに説明しやすい関数を用いて近似することで数値データベースからルールを抽出し、更にそれを組み立てて知識発見過程が医師にとって明確に理解できるシステムの構築である。これは、過去のデータマイニング技法に計算幾何学技法と幾何学的可視化を取り入れた画期的なシステム構築となる。 医療画像データに関する知識発見のために、入力画像に対するオブジェクト画像切り出しの最適アルゴリズムの設計と切り出し画像の高品質化に関する研究を行った。画像に含まれるオブジェクトと背景に分離を行うものであり、既存の発見的手法では無く、組合せ最適問題として定式化を行い切り出された画像の品質に理論的な保証を与える手法を提案した。提案手法は計算幾何学手法を用いた医療画像データから自動的画像切り出しであり、切り出された画像を知識として提示することにより、医療画像データ解析の際に、知識として提案すると言った、医療画像データ知識抽出理論構築の成果を得た。 提案手法を実装し、システム構築を行った。構築したシステムによる実験は、一般の画像データと医療画像データに対する画像切り出しに関する計算実験を行った。システムによる実験結果、医療画像データに対しても品質の良い画像切り出しに成功した。その結果を論文にまとめて国内・国際学会で成果発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療画像データに関する知識発見のために、一般の画像データと医療画像データに対するオブジェクト画像切り出しの最適アルゴリズムの設計を行った。切り出し画像の高品質化に関する理論研究を行い、提案手法のシステム実装を行った。実装実験より、医療画像データに対して高品質の画像切り出しに成功した。 研究成果を論文にまとめて国内・国際学会で発表を行い、高い評価を得た。本研究は順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究で提案する階層化ルールを決定木のエキスパートとして用いるアイディアに対する理論的な裏付けとしてオンライン学習理論アルゴリズム設計と計算理論を確立する。提案する医療知識発見システムの総合的実装と性能評価を行う。視覚化機能を充実したシステム構築を目標とし、わかりやすく柔軟なデータマイニングシステムの構築を行う。本研究で提案する理論を総合的に実装し、計算アルゴリズム理論・学習アルゴリズム理論の確かさを明らかにする。 (1)計算幾何学手法を用いて医療画像データから知識抽出理論に関する研究:(1)画像データを構造的な圧縮データに変換し、計算時間の高速化とマイニング精度を上げるアルゴリズム理論の設計と改良を行う。(2)階層化ルールをエキスパートに用いた決定木について:(1)エキスパート付き決定木構築アルゴリズムを実装し、ベイズ統計を用いた現在のシステムとの比較実験を行う。(2)エキスパートの挙動に関するパラメタ設定の重要性を調べ、良いパラメタを設定することで、システムの改善を行い、比較実験を行う。本研究で提案する理論の妥当性と有効性と精度を実験より調べて示す。(3)非決定性を持つ決定木システムに関してさらに精度を上げる理論研究を行い、理論の実装を行う。(3)医療画像データ診断システムの構築と実験:(1)提案理論を実装し、実際の画像データから画像診断を行いその精度を実験より調べる。(2)高速化アルゴリズムの改良を行う。(4)得られた研究結果を取りまとめ、成果の発表を国内外の学会で行う。 本研究で提案する計算幾何学手法を用いた非決定性知識抽出システムを用いることにより、医療現場での戦略的意思決定支援処理能力の大きな向上が期待される。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)研究成果を論文にまとめて国内・国際会議に積極的に発表を行う。研究発表のための旅費と登録費を計上した。(2)本研究は理論的保証を持つ医療データに対する知識発見システム構築であるため、権威のある専門家との研究打ち合わせと資料収集のための旅費を計上した。海外の研究者を招いて研究打ち合わせを行うための招へい旅費を計上した。(3)医療データベース構築とシステム構築のために高性能の計算機を購入する予定である。
|
Research Products
(7 results)