2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水木 敬明 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 准教授 (90323089)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アルゴリズム / 暗号・認証等 / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究は、テンソル分解についての既知の知見をうまく活用し、安全な計算を実現する暗号プロトコルの効率化に応用を図ることを主要な目的としている。特に、リテラルの論理積を排他的論理和で結んで得られるESOP(Exclusive-or Sum of Products)表現が安全な計算に応用できることと、ESOP表現の最小化が行列の階段化と同等の意味を持つこと、すなわち、行列の階数が安全な計算のコストに直結することが過去の研究で知られているので、行列の階数の一般化がテンソルの階数であると捉え、テンソル分解とESOP表現の関係を明らかにし、既存の知見・手法を格段に発展させることを目指している。初年度である今年度は、まずESOP表現の一般化であるESCT(Exclusive-or Sum of Complex Terms)表現に着目し、その最小化に関する問題に取り組んだ。その結果、最小ESOP表現と最小ESCT表現の関係・性質を明らかにし、最小なESCT表現を求める効率的なアルゴリズムを考案することができ、この成果を公表する準備を進めた。また、多値入力論理関数のESOP展開と正準テンソル分解との関連性の解析や、多値3入力ESOP展開を応用した安全な計算を実現する暗号プロトコルの開発を進めた。加えて、多人数での安全な計算におけるセキュアなチャネルを確保するために、鍵共有グラフにおける鍵選択に関する研究を行い、成果を学会発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究目的、すなわち正準テンソル分解やESCT展開に関する事項について、当初の計画通りに進めることができたと判断されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を踏まえつつ、当初の計画に従い、本研究を推進していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究 の遂行に使用する予定である。
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