2011 Fiscal Year Research-status Report
平面グラフの外k角格子凸描画アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
23700008
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
三浦 一之 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (80333871)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アルゴリズム / 平面グラフ / 格子凸描画 |
Research Abstract |
平面グラフG の描画で,G の各点が整数座標を持ち,G の各辺が互いに交差しない直線分として描かれ,各面が全て凸多角形で描かれる描画をGの格子凸描画という.平面グラフGが格子凸描画できるための条件は,Gが内部3連結であることである.格子凸描画で外面がk角形であるものを外k角格子凸描画という.内部3連結平面グラフGの3連結成分分解木T(G)の葉がちょうど4枚のとき,大きさ2n×4nの整数格子内に線形時間で外4角格子凸描画できることが知られていた.ここで,nはGの点数である.本研究において,この外4角格子凸描画の大きさ2n×4nを2n×2nに改良した.すなわち,内部3連結平面グラフGの3連結成分分解木T(G)の葉がちょうど4枚のとき,Gを2n×2nの大きさの整数格子内に外4角格子凸描画できることを証明するとともに,そのような描画を求める線形時間アルゴリズムを与えた.以上の結果を電子情報通信学会コンピュテーション研究会で発表するとともに,電子情報通信学会論文誌に投稿し,採録された. さらに,内部3連結平面グラフGの3連結成分分解木T(G)の葉がちょうど5枚のとき,大きさ10n×n^2の整数格子内に線形時間で外5角格子凸描画できることが知られていた.本研究において,この外5角格子凸描画の大きさ10n×n^2を6n×n^2に改良した.すなわち,内部3連結平面グラフGの3連結成分分解木T(G)の葉がちょうど5枚のとき,Gを6n×n^2の大きさの整数格子内に外5角格子凸描画できることを証明するとともに,そのような描画を求める線形時間アルゴリズムを与えた.以上の結果を第10回情報科学技術フォーラムにおいて発表するとともに,学術雑誌への投稿を目指し論文にまとめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度においては,外5角格子凸描画を求めるアルゴリズムを開発する予定であったが,アルゴリズムを開発するだけではなく,当初予想されていた格子サイズを大幅に改良できることを証明できた.さらに,当初予定にはなかった外4角格子凸描画に関しても,従来知られていた格子サイズを大幅に改良できることを証明できた.
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Strategy for Future Research Activity |
外5角格子凸描画を求める手法を改良し,外6画格子凸描画を求めるアルゴリズムの開発を進める.外5角格子凸描画を求めるときには,入力グラフをいくつかの部分グラフに分割し,それぞれの部分グラフを個別に描画した上で組み合わせるという手法を用いていた.外6角格子凸描画を求めるときにも,分割の仕方および外形の6角形の決め方を工夫することにより,nの多項式の大きさの格子内に描画することを目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費は,計算機上でのシミュレーションを行うためのパソコンおよび周辺機器,ソフトの購入や,年度中に得られた成果の発表のための研究会やシンポジウムへの出張旅費として使用する予定である.
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