2012 Fiscal Year Annual Research Report
平面グラフに特化した高機能かつコンパクトな実践的符号化アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
23700012
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山中 克久 岩手大学, 工学部, 助教 (60508836)
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Keywords | アルゴリズム理論 / グラフ理論 |
Research Abstract |
グラフを符号化/復号化するアルゴリズムと復号化するアルゴリズムを与えた.本研究では,平面グラフに特化した符号技術を開発しており,平面グラフの部分クラスである矩形描画や,根付き木,最適あみだくじをコンパクトに表現する方法を開発した. 矩形描画は,VLSIのフロアプラン等に応用をもつ重要なグラフクラスである.矩形描画は,LSIのフロアプランを平面グラフとしてモデル化したものとして捉えることができる.LSIの巨大化に伴い,対応する矩形描画も巨大になる.そこで,矩形描画をコンパクトに表現する技術が必要になってくるのである.既存研究として,矩形描画をコンパクトに表現するデータ構造が提案されているが,この結果は,矩形描画のグラフ構造のみを表現するものであり,辺の長さは考慮していなかった.これに対し,本研究では「長さ付きの矩形描画」をコンパクトに表現する符号を提案した.辺の長さまで考慮しているため,既存の表現方法よりも,より現実のLSIに近いモデルに対するコンパクトな表現方法を提案できたことになる. 根付き木は,計算機科学分野で頻繁に出現するグラフ構造である.代表的なものとして,XMLやディレクトリの階層構造が挙げられるだろう.本研究では,この根付き木を平面に埋め込むことによって,コンパクトに表現する符号化/復号化アルゴリズムを開発した.また,計算機実験を行い,提案符号がコンパクトになることを実証した. 最適あみだくじも平面グラフの構造をもった離散構造である.最適あみだくじは,与えられた順列を,複数回の隣接互換を行うことにより,整列するようなネットワーク構造である.この離散構造に対しても,コンパクトな符号化/復号化アルゴリズムを与えた.さらに,計算機実験を行い,提案符号がコンパクトになることを実証した.
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Research Products
(5 results)