2013 Fiscal Year Annual Research Report
計算困難問題に対する厳密指数時間アルゴリズムの研究
Project/Area Number |
23700015
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉置 卓 京都大学, 情報学研究科, 助教 (40432413)
|
Keywords | 計算量理論 / アルゴリズム理論 / 厳密アルゴリズム / 充足可能性問題 / 計算困難性 |
Research Abstract |
実用上重要な組合せ最適化問題の多くは,NP困難と呼ばれる計算困難なクラスに属している.これらの問題に対する既知の厳密アルゴリズムは,全て指数時間アルゴリズムであり,実用上の観点からは使用に耐えないことが多かった.しかし,近年の計算機の高速化とアルゴリズム設計における理論の発展により,厳密アルゴリズムが適用可能な場合が増えており,より高速な厳密アルゴリズムの設計が要請されている.本研究では,計算困難な最適化問題の代表として,論理式の充足可能性問題とグラフの彩色可能性問題を取り上げ,高速なアルゴリズムの設計と解析,および高速化の限界に関する研究を行う.以下に本年度の主要な成果を述べる. 閾値素子を含む回路の部分クラスに対する圧縮アルゴリズム: 回路クラスCに対する圧縮アルゴリズムとは,Cに含まれる回路によって計算されるn変数論理関数fの真理値表が入力として与えられたとき,サイズが2のn乗/n未満であるようなfを計算する回路を出力する,計算時間が2のn乗の多項式である決定性アルゴリズムである.本結果では回路クラスCとして定数段数閾値素子回路TC0の部分クラスを対象として圧縮アルゴリズムを設計した.具体的には,THR*AC0とAND*THRと呼ばれる回路クラスを扱い,圧縮アルゴリズムを与えることに成功した.
|