2011 Fiscal Year Research-status Report
離散凸性を持つ組合せ最適化問題に対する高速なアルゴリズムの設計
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23700016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高澤 兼二郎 京都大学, 数理解析研究所, 助教 (10583859)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 組合せ最適化 / 国際情報交流 / フランス |
Research Abstract |
本年度は,重み付きマッチング森に関する成果 (下記 [1]) が査読付き国際会議 The 15th Conference on Integer Programming and Combinatorial Optimization に採択された.重み付きマッチング森問題についてはこれまでに多項式時間アルゴリズムが知られていたが,本研究では重み付きマッチング森が付値デルタマトロイドと呼ばれる離散凸構造を持つことを証明し,それに基いたアルゴリズムの単純化を行った.さらに,既存のアルゴリズムの高速化を行った.また,最短双有向森 (shortest bibranching) 問題に対する成果 (下記 [2]) を発表した.最短双有向森問題に対してはやはり多項式時間アルゴリズムが知られていた.本研究では,双有向森が付値マトロイドや M 凸関数といった離散凸性を持つことを見出し,本問題が付値マトロイド交わり問題の枠組に入ることを証明した.[1] K. Takazawa: Optimal Matching Forests and Valuated Delta-Matroids. Proceedings of the 15th Conference on Integer Programming and Combinatorial Optimization, Lecture Notes in Computer Science 6655, 2011, pp. 404-416. [2] K. Takazawa: Shortest Bibranchings and Valuated Matroid Intersection. Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics, to appear.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は,多項式時間可解性が知られている問題に対しその問題が持つ離散凸性を見出すということを,重み付きマッチング森問題と最短双有向森問題に対して行った.離散凸性に注目することにより,重み付きマッチング森問題に対しては既存のアルゴリズムの単純化に成功し,また,高速化を行うことが出来た.最短双有向森問題に対しては,付値マトロイド交わり問題という性質の良い問題のクラスに含まれることを証明し,付値マトロイド交わり問題に対する汎用的なアルゴリズムを用いた新たな組み合わせ的アルゴリズムを導出した.これらの成果は本研究が目的としていたものである.組合せ最適化問題が持つ離散凸性を見出し,離散凸解析の汎用的な理論を具体的な問題に適用することによって,以上の成果を得ることが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,多項式時間可解性が知られている組合せ最適化問題に対してその離散凸構造を見出すという方向性の他に,離散凸構造が明らかになっているにも関わらず計算複雑度が知られていない問題に対しても研究を進めていく.まず,マッチング森の一般化を扱う.現在までに見出したマッチング森が持つ離散凸性を継承するようなマッチング森問題の自然な一般化を与え,その問題に対するアルゴリズムの設計を行う.さらに,枝数が k 以下の閉路を含まない 2-因子を求める問題を扱う.本問題は,k = 4 で重みなしの場合,および k = 3 で重み付きの場合が未解決であり,さらに,両方の場合において離散凸性を持つことが明らかにされている.このことに基づき,以上の問題に対して多項式時間可解性を示すという方向で計算複雑度を明らかにすることを目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果の発表および情報収集・人的交流を目的とした旅費,計算機の購入,離散最適化関連の図書の購入に主に用いる.また,次年度よりフランスに滞在するため,国際交流を目的とした出張が増えることを見込み,次年度使用額を残してある.
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Research Products
(7 results)