2011 Fiscal Year Research-status Report
大規模時間依存最短路問題に対する高速アルゴリズムの研究
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23700018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
趙 亮 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90344902)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | A*アルゴリズム / 時間依存最短路問題 / Node Early-Fixing |
Research Abstract |
本研究は、大規模な時間依存最短路問題に対し、以前申請者らが開発した時間依存A*アルゴリズムフレームワークの成果を踏まえて、新しいA*探索法とそのための評価関数の提案を目的としています。さらに、地図データの違いによる性能の変化を検討し、日本の事情に合うようなアルゴリズムの提案を目指します。当初の実施計画は、H23年度では、主要な理論検討、日本道路地図ネットワークの解析・可視化ツールの開発、および計算エンジンの開発、H24年度では理論の完成、計算エンジンの完成および実験検討、最後にウェブサイトの構築など、成果の公開と発表を予定していました。H23年度の研究実績として、A*アルゴリズムの計算途中に節点の距離ラベルを早期に確定することによって高速化を図る手法Smart Update、およびそれの改良版のNode Early-Fixingを開発しました。アメリカの道路ネットワーク9個とインターネットグラフ1つに適用した結果、適用されていないA*アルゴリズムに比べ、すべてのケースにおいて高速になっていることを確認しました。具体的に、用いた三種類のA*アルゴリズム、Dijkstra法、評価関数として直線距離を用いた古典的A*アルゴリズム、前処理にランドマークを用いたALTアルゴリズムのそれぞれの結果は、Dijkstra法と古典的A*アルゴリズムでは約4.5割、ALTでは約4割の高速化を達成しました。これらの手法は、どんなA*アルゴリズムにも適用できるという汎用性と実用性を持っており、それぞれ国際学会で発表済み・発表予定になっています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高速化手法の提案と計算エンジンの開発ができましたが、自分が目標として考えている従来法より倍以上速くなるアルゴリズムまでは、4割程度の高速化では達成度80%程度だと思っております。また日本地図データの解析も思ったより複雑でやや遅れています。大学院生の雇用に様々な時間制限があることも1つの原因でした。
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Strategy for Future Research Activity |
倍以上高速化できる新しい評価関数の設計と日本地図データの開発をH24年度の前期に行う予定です。特に複数の評価関数を切り替える手法を検討します。後期には、ウェブサイトの構築や研究発表を行う予定です。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費について、主に発表用ノートPCの購入になります。H23年度に予定していた国際会議発表がH24年5月になってしまいましたのでH24年度では旅費が多くなります。その他は、大学院生への謝金や消耗品などに使う予定です。
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Research Products
(2 results)