2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700020
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
森住 大樹 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (50463782)
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Keywords | 計算量理論 / 回路計算量 / 幅限定回路 / 論理回路 / 論理関数 |
Research Abstract |
計算機の進歩とともに計算機を活用して問題を解くことが広く行われるようになり多くのアルゴリズムが開発されているが,その一方,問題の本質的な難しさについては,P対NP問題をはじめとして解明されていない事が多く残されている.回路計算量理論は問題の本質的な難しさを証明するのに有力と考えられている手法の一つであり,30年以上に渡り広く研究が行われている.本研究では,幅が制限された論理回路に着目し,その回路計算量の解明を進め,難問とされている問題の難しさに関する未解決問題の解決へとつながる成果を得ることを目的としている.幅を制限した論理回路に関する成果を積み上げ,将来の未解決問題の解決へとつなげることを目指している. 本年度は,論理回路と密接な関係にあり回路計算量の研究において重要な,論理関数について以下の成果をまとめた.論理関数の感受度,ブロック感受度,保証複雑さは,論理関数の複雑さの尺度であり,他の論理関数の複雑さとの関係が知られている.それらについて,(1)ユネイト関数と1回読み関数に限定すると,それら3つの値は等しいことを証明した.(2)論理式が与えられたときに,その論理式が表す論理関数のそれら3つの値を求める問題は,NP困難であることを証明した.以上の成果は,平成25年度には,電子情報通信学会コンピュテーション研究会と情報処理学会アルゴリズム研究会にてそれぞれ発表を行った.次年度の始めに,それぞれ査読付き国際会議と学術雑誌への投稿を予定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の初年度に研究の目的に関連する文献の調査に当初の想定以上に時間を必要としたため,全体的に研究目的の達成はやや遅れ,補助事業期間を1年延長することとなったが,最終年度に向け順調に成果を取りまとめている.
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Strategy for Future Research Activity |
やや遅れていることを除けば研究計画の遂行に支障は生じておらず,計画に沿って研究を推進する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究目的の達成がやや遅れていることなどから,当初の予定より本年度に成果発表のための旅費等に使用した額が少なかったために,次年度に使用する研究費が生じた. 最終年度となる次年度は成果発表を多く予定しており,次年度に使用する研究費は,成果発表のための旅費,国際会議登録料,英文校正費,その他必要な物品の購入等に使用する計画である.本研究は理論研究であり特別な装置などは必要なく,当初の計画から成果発表のため必要となる経費の割合が比較的大きいものとなっており,当初の計画に沿って使用する計画である.
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