2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700020
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
森住 大樹 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (50463782)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 計算量理論 / 回路計算量 / 幅限定回路 / 論理回路 / 論理関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
計算機の進歩とともに計算機を活用して問題を解くことが広く行われるようになり多くのアルゴリズムが開発されているが,その一方,問題の本質的な難しさについては,P対NP問題をはじめとして解明されていない事が多く残されている.回路計算量理論は問題の本質的な難しさを証明するのに有力と考えられている手法の一つであり,30年以上に渡り広く研究が行われている.本研究では,幅が制限された論理回路に着目し,その回路計算量の解明を進め,難問とされている問題の難しさに関する未解決問題の解決へとつながる成果を得ることを目的とした.幅を制限した論理回路に関する成果を積み上げ,将来の未解決問題の解決へとつなげることを目指した. 最終年度である本年度は,まず,昨年度に国内研究会にて発表した内容に新たに以下のように成果を加え,国際会議にて発表を行った.論理関数は回路計算量の研究において基礎となるものである.論理関数の感受度,ブロック感受度,保証複雑さは,論理関数の複雑さの尺度であり,他の論理関数の複雑さとの関係が知られている.昨年度までに,ユネイト関数と1回読み関数に限定すると,それら3つの値は等しいことを証明していた.本年度は,1回読み関数の場合の下界を明らかにする成果などを新たに得た.また,それとは別に,幅が制限された論理回路に対するSATアルゴリズムを提案した.これは,近年注目されているSATアルゴリズムと回路計算量の密接な関係を背景としている.研究期間全体を通じて,幅が制限された論理回路とそれに関連する複数の成果を得ることができた.
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