2012 Fiscal Year Research-status Report
理解と品質維持に適したソースコード修正を支援する開発環境の構築
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23700030
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 晋平 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (40541975)
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Keywords | ソフトウェア進化 / リファクタリング / ソフトウェア構成管理 / ソフトウェア開発環境 / 機能捜索 |
Research Abstract |
本研究の目的は,開発者がソースコードに対して行う変更を支援するために,変更すべき箇所の特定に加え,開発の後段での理解が容易になるよう,また対象ソフトウェアに与える品質の悪影響を抑制するよう構成可能な開発環境を実現することである.平成24年度では,以下の成果を得た. 1. ソフトウェア統合開発環境下で行われたソースコードの編集操作を,その編集意図と関連づけて管理するためのモデルに対して,編集操作への属性の付与,枝分かれ,包含関係などの拡張を検討した.また,付与する属性を具体的に定義した. 2. ソースコード編集操作履歴の理解性・利用性向上を目的として,履歴全体の効果を保存したままその構造を書き換える,編集操作履歴のリファクタリング手法の自動化ツールを洗練させ,付与された属性に従って編集操作を自動的に分類できるようにした. 3. 編集操作履歴のスライシング手法について,統合開発環境Eclipseと密に連携する自動化ツールを実現した.4. 変更すべき機能が実装されたソースコード上の箇所を特定する技術を拡張し,特定結果が理解に適さない大きさだった場合の分割を可能とした. 5. ソフトウェア進化研究の動向調査を進め,本研究の国際的な位置づけを明確とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では大きく,ソフトウェア変更を支援するために,1. 変更箇所の特定,2. 開発者の変更操作履歴の再構成 と,3. それに対応したソースコードの品質改善の実現を目的としている.平成24年度では,これまでに構築してきた変更モデルとそのリファクタリング手法,スライシング手法をソフトウェア保守国際会議(ICSM)やソフトウェア工学の自動化国際会議(ASE)で発表している.また,前年度に構築した変更モデルの拡張方針を検討し,これに基づき2のプロトタイプツールを拡張している.さらに,変更箇所の特定手法を拡張し,その評価方法についても検討を重ねている.これらにより,平成25年度は作成したツールの拡張及びユーザビリティの向上,手法の評価に注力することができると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度では,前年度に検討した変更モデルの拡張方針に従い,構築した変更モデルをさらに拡張し,支援ツールを追従させる.また,構築したツールの公開に向け,そのユーザビリティを向上させるなど,完成度を向上させていく.さらに,構築したツールのユーザビリティや有用性の評価を行う.最後に,研究成果を学術論文誌論文にまとめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度も引き続き,構築した編集操作履歴のリファクタリングツールの拡張を行いながら,その完成度を向上させていく.この作業と,有用性評価のための実験の準備のために,謝金を用いて大学院生を雇う.そのほか,ソフトウェア保守国際会議(ICSM)やリバースエンジニアリング国際会議(WCRE),欧州ソフトウェア保守・リエンジニアリング国際会議(CSMR)などの国際会議,ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE)などの国内ワークショップに参加し,提案中の編集操作履歴リファクタリングやそれに関連する技術の研究成果を発表していく.さらに,研究成果を学術論文誌論文にまとめる.
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Research Products
(7 results)