2013 Fiscal Year Research-status Report
理解と品質維持に適したソースコード修正を支援する開発環境の構築
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23700030
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 晋平 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (40541975)
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Keywords | ソフトウェア進化 / リファクタリング / ソフトウェア構成管理 / ソフトウェア開発環境 / 機能捜索 |
Research Abstract |
本研究の目的は,開発者がソースコードに対して行う変更を支援するために,変更すべき箇所の特定に加え,開発の後段での理解が容易になるよう,また対象ソフトウェアに与える品質の悪影響を抑制するよう構成可能な開発環境を実現することである.平成25年度では,以下の成果を得た. 1. ソフトウェア統合開発環境下で行われたソースコードの編集操作を,その編集意図と関連づけて管理するためのモデルに対して,開発環境が提供する変更の包含関係に基づき,変更を階層的に表現する手法を開発した. 2. ソースコード編集操作履歴のリファクタリングのために,編集操作を自動的に分類する手法の評価を行った. 3. ソースコード変更を表す差分に対して,その構造を対話的に修正するための機構を考案し,またシステムとして実現した. 4. 変更すべき機能がソースコードにどのように実装されたかを特定する機能捜索手法を改良し,複雑な機能に対してより適切に結果を特定できるようにした. 5. 機能捜索技術の有効性を検証するための実験を行い,その結果について分析した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では大きく,ソフトウェア変更を支援するために,1. 変更箇所の特定,2. 開発者の変更操作履歴の再構成 と,3. それに対応したソースコードの品質改善の実現を目的としている.平成25年度では,前年度に確立した新たな変更モデルに基づいた手法の拡張を発表している.また,変更箇所の特定手法の特徴を実験により明らかにし,その成果を国際会議に発表している.なお,提案している修正支援法と機能捜索法や機能に関連する品質の維持方法との連携に関する研究も新たに行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,構築したツールの拡張を行いながら,その完成度を向上させていく.まず,これまでの研究成果をリファクタリング技術の国際的な研究集会に持ち寄り,研究者からの意見を募る.また,ソフトウェア保守・進化国際会議(ICSME)やソフトウェア解析・進化・リエンジニアリング国際会議(SANER)などの国際会議,ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE)などの国内ワークショップに参加し,提案中のツールやそれに関連する技術の研究成果を発表していく.さらに,研究成果を学術論文誌論文にまとめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の目的であるソースコード修正の支援において,修正すべき機能の実装箇所を特定する機能捜索と組み合わせ,特定した箇所に関連した品質維持を行うことの重要性が明らかとなったため,提案している修正支援法と機能捜索法や機能に関する品質の維持手法との連携に関する研究を新たに行った.またそれらの結果を成果に含めるため,全体的なスケジュールを後ろ倒しした. 平成26年度の研究費は,主に国内学会,国際会議及び学術論文誌に研究成果を発表するための費用として用いる.また,ドイツで開催される国際的なリファクタリングコミュニティの研究集会に参加し,研究を進めてきた手法及びツールを紹介し,研究者から意見を募る.
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Research Products
(9 results)