2012 Fiscal Year Research-status Report
安全で容易なモジュール合成のためのプログラミング言語機構の研究
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23700033
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青谷 知幸 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (20582919)
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Keywords | 文脈指向プログラミング / アスペクト指向プログラミング / プログラミング言語 / アスペクトマイニング / 最適化 |
Research Abstract |
文脈指向プログラムの最適化とアスペクト指向言語の表現力の向上,そして非アスペクト指向プログラムからアスペクト指向プログラムへの自動的な変換のための基礎技術に取り組んだ. 文脈指向プログラムでは1つの関数名に対して複数の定義が存在し,定義の選択をプログラム実行中に自由に変えることができる.従って関数を実行する際には逐一,現在選択されている定義を探し出さねばならず,そのための計算時間が必要になる.本研究で提案した最適化は,関数名と定義の組みが一通りに定まる部分をプログラムの実行前に見つけ出し,実行中に定義を探し出す時間をなくすものである.成果をまとめた論文は論文誌「コンピュータソフトウェア」に採択された. アスペクト指向言語の表現力の向上は,プログラムの設計情報をプログラム中に取り込むという発想に基づく.より具体的には,本研究ではプログラムが提供する機能の間のつながりを直接プログラムとして記述するための言語機構を提案した.機能の間のつながりを直接プログラムとして記述できるようにしたことで,プログラムの正しさの検証とプログラムの理解が容易になるため,プログラムの生産・保守性が向上する.成果をまとめた論文はAOAsia/Pacific'13に採択された. アスペクト指向プログラムへの変換とは,複雑にもつれた保守・拡張の困難なプログラムを,機能毎に分かれた保守・拡張の容易なプログラムに変換することである.この自動化のためには,プログラムを構成する部品を機能毎に分類することが必要不可欠である.本研究では自己組織化写像を用いた自動的な分類法を提案し,成果をまとめた論文はVariComp'13に採択された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で提案した最適化手法は,単純でありながら,文脈指向プログラムの実行効率を大幅に改善するものであった.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で提案した最適化手法の一般化のために,文脈指向言語の様々な言語機構の統一を目指す.円滑な進展のため,月に一度程度東京大学の千葉滋教授,紙名哲生助教,東京工業大学の増原教授,そして京都大学の五十嵐淳准教授に,研究のアイデアについて意見と助言をいただく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ通信機器と薄く軽量な携帯用の計算機,および実験用の計算能力の高い計算機の購入を考えている. 当該年度では実験用計算機購入のために439,421円を残した.必要な計算能力を備えた実験用計算機の購入のためには,少なくとも499,800円が必要となる見積りであった.繰り越した未使用額は,次年度の実験用計算機の購入のために使う.
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