2014 Fiscal Year Annual Research Report
安全で容易なモジュール合成のためのプログラミング言語機構の研究
Project/Area Number |
23700033
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青谷 知幸 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (20582919)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 文脈指向プログラミング / モジュール合成 / モジュラリティ / プログラミング言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続いて,文脈指向プログラミング(COP)言語における層活性機構の統一についての理論的基礎を研究した.
COPはプログラムの提供する機能や機能の振舞いが,プログラムの実行環境やプログラム内の状態などの文脈に依存して変化するようなプログラムのための,モジュール化技術である.例えばスマートフォン向けのアプリケーション管理プログラム(Google Playなど)では,Wifi通信が可能な状態か否か,電池残量が十分か否かに応じて,新しいバージョンのアプリケーションが公開されているかどうかを検査する機能(以降更新検査という)と,新しいバージョンのアプリケーションのインストールを実行する機能(以降更新実行という)の利用可能性が変わる.Wifi通信が可能でないとき,更新検査は利用できない.また電池残量が十分でない時,更新実行は利用できない.文脈ごとに利用できる機能の種類や機能自体の振舞いが異なるため,これらを文脈ごとに定義する記述法と,プログラム実行時の文脈に応じて文脈ごとの定義(以降モジュールという)を合成する手法が必要である.多くのCOP言語に従って,定義法には層を,合成法には層活性機構を用いることにした.これまでに4種類の層活性機構が提案されているが,それぞれには得手不得手があり,理想的なCOP言語は複数の層活性機構をプログラマが選択的に使うことができるものである.本研究では昨年度に構築した複数の層活性機構の混ぜあわせを可能にするための理論的基礎を深化させ,文脈指向プログラミング言語のための計算体系であるContextFJの上に再構築した.また得られた知見をJavaを拡張した文脈指向プログラミング言語ServalCJの設計に応用した.
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