2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700040
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山田 浩史 慶應義塾大学, 理工学研究科, その他 (00571572)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ディペンダブルコンピューティング / オペレーティングシステム / 仮想マシン |
Research Abstract |
本研究の目的はオペレーティングシステム(OS)のバグによる障害の影響を緩和して,サービスの可用性低下を抑えることにある.OS がダウンした状態から素早く回復する技術の確立を狙う.具体的には OS と仮想マシンモニタ(VMM)とが連動して,高速に健全な状態の VM を作り出す技術を研究する.今年度は取得したスナップショットへ高速に復元する機構,ならびにスナップショット復元時においてもファイルシステムの一貫性を保証する機構の設計,実装を完了することができた.これは,仮想マシンに大量のメモリを割り当てるとスナップショット復元に時間がかかる点,ならびに復元時にファイルシステムの状態が現在のディスクと一貫性がとれていない点を克服するものである.これにより,OS 起動直後の健全な状態に,現在のディスク状態を保持しながら戻すことができる.本方式の有効性も確認でき,論文誌に論文を執筆し,採録となっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗はおおむね順調であると考えている.当初計画していた方式の設計および実装も完了することができ,実験を通して有効性も確認でき,論文誌に採録となっている.翌年度はプロトタイプの完成度を高めるために,より複雑な実験を行う予定である.また,本方式の適用範囲を広げることを考えている.現在,Windows といった OS に手を加えられないソフトウェアに対しても,高速な健全性回復ができるのではという感触を掴みつつある.こちらも詰めていくことで,汎用的な高可用性基盤の実現に繋がっていくと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
プロトタイムの完成度を高めるために,より複雑な実験を行う予定である.具体的には,実験環境を整備し高度なシステムプロファイリングツールを容易することで,提案方式を徹底的に分析する.また,近年急速に普及している Solid State Drive(SSD)を用いた実験も考えている.上記の作業と並行して,本方式を拡張して汎用的なサービスの可用性を上げる基盤技術の設計も行う予定である.可能であれば,設計を完了させ,実装を終えるところまでいきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
プロトタイプを評価するために,マシンや高度なシステムプロファイリングツールを購入する予定である.さらに SSD の購入も検討している.今年度にいくつか購入できたが,メーカや個体によって性能が異なるために,複数購入してプロトタイプの特性を測る予定である.今年度は 2 万円弱を翌年度に繰り越した.これは当初計画していた SSD の取り寄せに時間が要することが原因である.SSD はメーカによって性能が異なるため,目当ての SSD を翌年に購入した方が研究費を有効に利用できるという判断で予算を繰り越した.これを受けて,今年度の早い段階で SSD の購入は済ます予定である.
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