2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700040
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山田 浩史 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00571572)
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Keywords | オペレーティングシステム / ディペンダビリティ / システムソフトウェア |
Research Abstract |
本研究の目的はオペレーティングシステム(OS)カーネルのバグによる障害の影響を緩和して,その上で動作するサービスの可用性低下を抑えることにある.仮想マシン技術により提供されるスナップショット機能の性能を向上する機構と,スナップショットから OS の状態を復元する際にサービスを矛盾することなく提供できるかを判定するチェック機構とを組み合わせることで,カーネル障害から迅速かつ安全に回復する.本研究では,これらの設計・実装,および評価を行うことで,本回復手法の有効性の検証,およびさらなる知見の取得を狙う.具体的には,オープンソースで公開されている仮想マシンモニタである Xen や OS カーネルである Linux を対象に提案機構の設計・実装を行い,利害得失を明らかにする.本課題を通して,OS の健全性を高速に回復する方式に必要な要件を明らかにした.本課題で実装した提案機構を用いることで,従来の健全性回復方式に比べてダウンタイムを最大98%短縮可能であることがわかった.OSカーネルにフォールトインジェクションを200回行ったところ,すべてのフォールトに対してOSの健全性を回復することができた.また,本課題を実施する上で得た知見を元に,OS のアップグレード中に被るダウンタイムを削減する方式も検討することができ,研究課題を発展させることに成功した.
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