2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700042
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
野中 誠 東洋大学, 経営学部, 准教授 (30318787)
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Keywords | ソフトウェア品質 / 欠陥予測 / 予測モデル |
Research Abstract |
ソフトウェアの残存欠陥数を予測する手法の1つに,レイリーモデルを適用する方法がある.本研究では,この技法が持つ課題である①総欠陥数の予測値が実績値を下回る矛盾が生じること,②レイリーモデルの形状パラメータを調整すべき条件が不明確であること,③上流工程の欠陥データだけでは総欠陥数の予測精度が悪くなることの課題を挙げ,これらを克服する方法の研究を目的としている. 本年度の成果として,主に③についての取り組みを行った.具体的には,上流工程の工程別(ソフトウェア方式設計,ソフトウェア詳細設計,およびコーディング)に欠陥混入数を予測する回帰モデルについて,実データに基づいて分析を行った.その結果,ソフトウェア方式設計では「規模」に加えて「仕様変更の可能性」という定性的な変数が統計的有意であり,ソフトウェア詳細設計では「規模」に加えて「要求性能の難易度」が統計的有意,コーディングでは「規模」のみが統計的有意という結果が得られた.当然ながら,これは適用したデータによって傾向が異なる場合があるが,このような結果が得られたことは欠陥混入数を予測するときのパラメータの候補として利用できると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前項で述べたとおり,本研究では,①総欠陥数の予測値が実績値を下回る矛盾が生じること,②レイリーモデルの形状パラメータを調整すべき条件が不明確であること,③上流工程の欠陥データだけでは総欠陥数の予測精度が悪くなることの課題を挙げ,これらを克服する方法の研究を目的としている.これらのうち,①は前年度に成果を示しており,また,③については前年度および今年度に成果を示したとおり順調に進展している.③については,情報処理学会のワークショップ,全国大会,シンポジウムでそれぞれ学会発表を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の推進方策として,実証データの収集が課題であることを述べた.今年度は実績データに基づく分析を行うことができたが,これをレイリーモデルに当てはめての分析は十分に行えなかった.今後の研究では,得られた実績データにレイリーモデルを当てはめて,課題としてあげた②項の解決に向けて取り組む予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画通りに使用する予定である.
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Research Products
(2 results)