2011 Fiscal Year Research-status Report
逐次的拡張に基づくドメイン特化型言語の実現手法の研究
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23700043
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
佐々木 晃 法政大学, 情報科学部, 准教授 (90396870)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ソフトウェア学 / プログラム処理系 / ドメイン特化型言語 / コンパイラ生成系 / 属性文法 |
Research Abstract |
本課題の目標は、新規のドメイン特化型言語(DSL)およびその処理系の実装を効果的に得るために、逐次的、段階的に既存言語を拡張するアプローチ(逐次的拡張)について研究し、その応用となるDSLシステムを開発することである。平成23年度は、(1)DSLシステム作成フレームワークの整備および(2)逐次的拡張手法に関する基礎的な調査および研究を行った。(1) DSLシステム作成フレームワークの整備に関して、過去の研究成果で得たビジュアルインタフェース生成系の改良を目的とした、ビジュアル言語による言語処理系の設計およびプロトタイプ作成を行った。本プロトタイプから、今後の研究で不可欠となる基本的なソフトウェアやその機能を得た。これはまた、木文法言語(tree grammar)に基づいたDSL の言語仕様から、プログラム作成支援ビジュアルインタフェースを簡単に生成するツールの基本となる。(2) 逐次拡張手法に関する基礎的な調査および研究として、ドメイン向けシミュレーション言語をモデルシナリオとした予備調査を行った。特に、逐次拡張を行うモデルケースとして設定した「社会シミュレーション言語SOARS」のサブセット言語を題材として、「役割指向プログラミング」という新しい手法の適用可能性を探った。この手法による社会シミュレーション用言語SOARSのscheme言語をホスト言語とした実装を試み、ドメイン特化型言語実装手法としての有効性を確認した。また、教育を目的としたゲーミングシミュレーション開発手法の研究および、その応用研究を通じて、本課題の手法の適用事例の一つとなるインタフェース記述言語のプロトタイプ設計と実装を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画においては、(1)DSLシステム作成フレームワークの整備および(2)逐次的拡張手法の基礎研究を行うこととなっていた。(1)については、目標としていたインタフェースの生成系の基礎となるビジュアルプログラミング言語の実装を行い、これは当初の予定以上のペースで進捗が得られた。(2)については、構想段階では予定していなかった「役割指向プログラミング」という新しい手法が本研究の応用として有望であることがわかり、その調査、研究を行った。なお、当初計画にあった属性文法に関する研究は、構想段階にとどまった。 以上の点を総合的に勘案して、達成度を上記の通り評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
順調な研究のペースを維持し、予定通りに研究計画を遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は、予定していた海外での成果発表を国内発表に切り替え、海外旅費を消化しなかったことを主な事由として、当初計画から218,315円の余剰が発生した。平成24年度は、当初予定していた経費に加え、消耗品費38,315円、国内旅費(打ち合わせ)30,000円,謝金(ソフトウェア開発補助)に150,000円を追加して予算に計上する。
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