2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700048
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
広渕 崇宏 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (20462864)
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Keywords | 仮想化 / 仮想計算機 / マイグレーション / 仮想ディスク / 広域ネットワーク / 仮想マシンモニタ / Mobile IPv6 / インターネット |
Research Abstract |
本研究では、地理的に離れたデータセンタ間で負荷分散を可能にするため、複数の仮想計算機を効率的に遠隔移動する手法について研究を進めてきた。 第一に、仮想計算機群を遠隔移動する際に、データ転送量を削減する手法について研究を進めた。仮想計算機のメモリにおいて更新頻度が低い領域については、メモリページをあらかじめ移動先にキャッシュしておくことで遠隔移動の際にともなうデータ転送量を削減できる。今年度においては、同様の手法を仮想ディスクに対しても開発し、その有効性を評価実験において確認した。また、仮想計算機のメモリにおいてページキャッシュとして使用されている領域を分析し、仮想計算機の移動時に重複排除を行う機構を開発した。 第二に、仮想計算機群が遠隔拠点に移動した際にもネットワーク到達性を維持するため、ゲストOSに対して透過的なパケットトンネリング手法について研究を行った。Mobile IPv6プロトコルをゲストOSの代わりにホストOS上で処理する機構を開発した。仮想計算機内部を改変することなく透過的にトンネリングを可能とし、また複数の仮想計算機を遠隔移動する際にも、一つずつ柔軟に遠隔移動することを可能にする。今年度においては、これまでの評価結果を取りまとめ国際会議と論文誌にて詳細を発表した。 第三に、本年度、遠隔移動の際に発生する性能低下を緩和する手法について研究を行った。仮想計算機のページフォルトハンドラを準仮想化することで、対象メモリページにアクセスしたゲストOS上のプロセスのみを停止し、残りのプロセスの実行を継続する手法を開発した。本手法を発表した論文はシンポジウムにて論文賞を獲得した。
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