2013 Fiscal Year Research-status Report
データ圧縮技術の適用による超並列プロセッサの低消費電力化と高性能化
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23700052
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金子 晴彦 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (70392868)
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Keywords | キャッシュメモリ / データ圧縮 / キャッシュミス率 / IPC / 消費電力 / GPU |
Research Abstract |
本年度の研究では,前年度までに構築したキャッシュメモリ用データ圧縮法であるPPC(Periodic pattern coding)について,シミュレータを用いた定量的評価を行い,次のような結果を得た. (1)提案手法の圧縮率は,従来手法であるLZSS,C-Pack,BΔI,等よりも高く,多くのGPUベンチマークプログラムに対してデータサイズを半分以下にできることを示した.また,Linuxメモリイメージに対しても提案手法が最も良好な圧縮率を与えることを示した. (2)GPGPUのL2キャッシュミス率の評価の結果,提案手法によりキャッシュミス率が大きく低減できる場合があることを示した. (3)データ圧縮を適用した場合の演算性能(IPC)の評価を行い,提案手法によりIPCが最大で約20%向上することを確認した.一方,圧縮/伸張遅延によるIPCの低下は数%程度に抑えられることも示した. (4)キャッシュメモリにおける消費電力の評価を行い,提案手法を用いたキャッシュメモリの消費電力はデータ圧縮を用いないメモリの倍以上となるが,プロセッサ全体の消費電力の増加は数%となることを推定した.一方,メインメモリへのアクセス回数の低減により,メモリアクセスにかかる消費電力は低減されることが予測される. (5)提案手法を用いた場合のキャッシュメモリ面積の推定を行い,データ圧縮を行わない場合のキャッシュメモリと比較して回路面積が数%増加するが,プロセッサ全体のチップ面積に与える影響は小さいことを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度までに,データ圧縮率,キャッシュミス率,IPC等について,良好な結果が得られてており,研究の目的をおおむね達成している.一方,科学技術演算で用いる浮動小数点データ等に対しては更に圧縮率向上を図れる可能性を発見したため,平成26年度に詳細に検討を行う.
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Strategy for Future Research Activity |
主に科学技術演算の性能向上を図るため,浮動小数点データに対する圧縮率の向上手法を構築する.また,本研究を発展させキャッシュメモリと併せてメモリバスにもデータ圧縮を適用する手法を検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に,圧縮回路のFPGA実装のためにアルゴリズムの再検討を行っていたところ,これまでよりも圧縮率を高めるアルゴリズムを発見した.アルゴリズム修正等の作業が必要となり,論理合成等に用いるコンピュータの購入が遅延したため,次年度使用が生じた. 論理合成等に用いるコンピュータの購入費として使用する.
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Research Products
(1 results)