2013 Fiscal Year Annual Research Report
無線LAN環境におけるオーバヒアリングを用いた高速ダウンロード方式
Project/Area Number |
23700071
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
大坐畠 智 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 准教授 (30361744)
|
Keywords | オーバヒアリング / 無線ネットワーク / 分散並列エミュレーション |
Research Abstract |
携帯端末が、無線LANや無線アドホックネットワークを介して、同一コンテンツを複数端末がある時間範囲内にダウンロードをする場合の冗長通信削減方式を明らかにする。他端末宛てであるが、自端末もダウンロードしているコンテンツの一部分をブロードキャストメディアである無線リンクのオーバヒアリングにより、自らはその部分をダウンロード要求をせずに有効活用し、冗長な通信を削除する。オーバヒアリングを実現するため、シーケンス番号によるTCPの信頼性制御の制限を開放する必要があるが、P2Pファイル共有ソフトで用いられた、ハッシュマップによる信頼性の制御を用いる。 平成23年度では、1ホップ無線通信環境で、オーバヒヤリングを実現するための機能、各層で必要な制御の検討を各層の制御に整合性を持たせるクロスレイヤ設計で行った。アプリケーション層の制御として、Bittorrentベースに方式を検討し、冗長トラヒックが発生しないセッション制御を検討した。そして、ビットマップを用いて信頼性を提供するため、サーバ側でのピース配信・クライアント側でのダウンロードピース選択戦略、シーケンス番号に頼らない輻輳制御方式を明らかにした。 提案方式をテストベッドに実装し、基本的な性能評価実験を行った。 平成24年度には、1ホップの無線環境では、実環境を想定し、通信速度や無線でのエラーレートが異なるようなヘテロジニアスな環境での方式の改良、性能評価をおこなった。実環境、エミュレーション環境を組み合わせて行った。 平成25年度では,提案方式のスケーラビリティを明らかにするために、分散並列エミュレーション環境で評価を行った。既存の分散並列エミュレータでは,イベントが正しい順序で行われないという問題があったため、並列処理の性能を落とさずに因果関係が崩れないようなイベント間の同期方式を新たに提案し、有用性を評価した。
|