2013 Fiscal Year Annual Research Report
OFDM協力中継通信を用いたマルチホップネットワークシステムの研究開発
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23700075
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
内藤 克浩 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80378314)
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Keywords | OFDM / 協調通信 / IEEE 802.11a / 無線LAN / マルチホップネットワーク |
Research Abstract |
本研究開発では、無線変調方式の一つであるOFDMの特徴を活用する、新たな協調通信方式について研究を推進してきた。1年目・2年目では、OFDM協調通信方式の基礎的な性能評価を実施し、提案方式を用いることにより伝送誤り率を改善可能であることを明らかにした。また、マルチホップネットワークにおいてブロードキャストを行う際にも、提案方式を用いることにより、高信頼かつ低遅延の通信を実現可能であることを明らかにした。 最終年度では、OFDM協調通信を用いたパケット通信を実現することを目的とし、IEEE 802.11aを想定したフレーム構造を用いて提案方式の有効性の評価を実施した。結果より、IEEE 802.11aの信号検出、タイミング推定、周波数オフセット推定などの機構も十分に動作することを確認し、伝送誤り率の改善も可能であることを明らかにした。また、多数の同一パケットが送信されるマルチホップマルチキャストにおいて提案方式を用いた場合の特性を、一般的なマルチホップネットワークとITS用の車車間通信ネットワークにおいて研究を実施した。結果より、高いパケット配信率と低遅延を両立可能であることを明らかにした。 本研究の大きな成果は、既存の無線LANで利用されているフレーム構造を利用した場合にも、アクセス制御手法を若干修正するだけで、新たな協調通信を実現可能であることを明らかにしたことである。このような修正はRF回路の変更が必要ないことから、ソフトウェアによる修正のみで実装を完了可能であり、産業上の価値も大きいと考える。さらに、提案方式では、同一OFDMシンボルを同時に送信を行うことから、無線資源の有効利用とパケット配送率の改善を実現可能であることも、限られた無線資源を有効に利用するために重要と考える。
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