2012 Fiscal Year Annual Research Report
異種測位方式協調機構の構築による屋内外シームレス測位性能の向上
Project/Area Number |
23700088
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神武 直彦 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科, 准教授 (20549836)
|
Keywords | 測位 / 屋内外シームレス / 異種測位方式 / 位置情報サービス / GPS / 準天頂衛星 / IMES / 屋内地図 |
Research Abstract |
今年度は、前年度に行った測位性能要求の分析や、試作したプロトタイプで得られた知見をもとに、2つの異種測位方式協調法を適用したシステムの設計とその評価を行った。ひとつめは、測位衛星による測位方式とIMESによる測位方式を協調させる方式であり、屋内外の異動に対し、ネットワークを介して位置捕捉のためのデータを提供する仕組みを実現した。具体的には、屋内から屋外への移動においては、IMESによって得られた屋内での位置情報をもとに、屋外でのGNSS測位の際に衛星配置やマスク角仰角データをデータサーバ経由で取得し、屋外から屋内への移動においても、GNSSによって得られた屋外での位置情報をもとに、屋内にて近傍に存在する可能性の高いIMES送信機に関するデータをデータサーバ経由で取得することで、測位精度や初期測位速度の向上を目指した。有効性を確認するための実験として天空率の異なる屋外3地点と屋内において測位実験を行った。天空率はそれぞれ68.8%、39.8%、14.8%であったが、概ね測位精度と初期測位速度が向上することを確認した。ただし、天空率が低い環境では、測位に利用できる衛星数が少なくなってしまうため、測位不能になってしまうという結果も出ており、その点の改善が必要である。ふたつめは、自己位置推定法による測位方式と、IMESによる測位方式を協調させる方式であり、自己位置推定法によって生じる誤差を各所に設置したIMES送信機からのデータによってキャリブレーションするという仕組みを実現した。IMESによる測位誤差が数mから10m程度のため、それよりも小さい精度でのキャリブレーションが困難であるという制約はあるが、IMES送信機を適切に配置することで、概ね数m以内での位置誤差に抑えることが可能になり、また、携帯端末に具備されたセンサで自己位置推定法を実現可能なシステムを実現することができた。
|